地デジカ
深夜ドラマを除いて、普通の時間のドラマだけを見ても2003年、2006年に山があり、また2012年から増加傾向にあるのが気になります。この理由を考えると「地デジ化」に思い当たりました。2003年は地デジ開始の年、2006年は全都道府県庁所在地で放送開始し普及に拍車がかかった年、そしてアナログ完全停波になったのは2012年(2011年の予定が震災の影響により被災三県で延期)、いずれも節目となった年です。
料理をドラマで取り上げようとした場合、味や匂いは伝えられないので見た目が大事。地デジにより画面がきれいになったことが料理ドラマをつくる推進力になったのではないでしょうか。
美しく見せるために
地デジ化の前段階として、料理を美しく見せるフードコーディネーターの活躍というのもあります。その先駆けである飯島奈美が注目されたのは2006年の映画『かもめ食堂』から。ドラマでは『深夜食堂』、『天使のわけまえ』、主人公の妻(山口智子)がフードコーディネーターだった『ゴーイングマイホーム』、そして『ごちそうさん』と続きます。
料理ドラマの古典
料理ドラマの元祖はなにか?定義と同じではっきりとはいえませんが、ガイドの見た範囲では1980年の『天皇の料理番』が最初に心に残った料理ドラマです。モデルは宮内省(現・宮内庁)で主厨長をつとめた秋山徳蔵。
堺正章主演で親友役に鹿賀丈史と明石家さんま。後のチューボーの巨匠と美食アカデミーの主宰が顔をそろえています。また鎌田敏夫脚本、テレパック・TBSの制作というパッケージは『男女七人』と同じ。この作品があったから明石家さんま主演起用につながったんでしょう。
鎌田敏夫脚本は『俺たちの旅』など昔の作品でも古めかしくならないのが特徴ですが、『天皇の料理番』も現在でも通用するドラマです。ただ残念ながらDVD化はなし。その代わりBS・CSなどでで数年に一度は放送されます。