ゼアキサンチン
柿の色素にも、β-クリプトキサンチン、ゼアキサンチンが含まれます。
ルテインとともに、ヒトの眼部組織の特に網膜に多く存在しており、抗酸化作用があることによって青色光を受けることでの酸化ストレスを抑制し、視覚機能を保護していると考えられています。これまでは組織構造が似ているため、ルテインとともにひとくくりで研究されてきたのですが、近年はその働きが違うのではないかと個別に研究されるようにもなってきました。
たとえばゼアキサンチンは、最も集光する黄斑部網膜の中心部に多いのですが、周辺部はルテイン濃度が高くなり、水晶体にはほぼ同じ割合で存在していることが明らかにされました。今後、ゼアキサンチンやルテイン独自の働き等について、明らかになっていくことでしょう。
ルテインとゼアキサンチンの摂取は、後期加齢性黄斑変性のリスク低減と核白内障の発症リスク低減との関連があると認められていますが、初期の加齢性黄斑変性の発症リスクや皮質白内障、後嚢下白内障の発症リスクとの関連は認められなかったという報告があります。
高齢化社会の日本でも加齢性黄斑変性病(AMD)は増加傾向にあると見られ、加齢とともに眼部組織のカロテノイド濃度は低下し、AMDの危険性が高まるとされています(喫煙者の間でも黄斑色素濃度の低下が見られる)ので、ルテイン&ゼアキサンチンというカロテノイドは、ますます注目されることでしょう。