入学後の単位のしくみ
通信制高校なら随時転入学できるメリットがある
全日制高校も、実は学習成果の判定は単位で行っているのですが、学年ごとに決められた科目別単位を全部修得しないと進級や卒業ができないことになっています。まんべんなく学習して成果を身につける面ではよい仕組みなのですが、途中の進路変更は苦手な仕組みなのです。
留年がなく学習成果を引き継げる通信制
全日制高校の場合、進級できずにそのまま同じ高校にとどまるなら同じ学年をやり直す留年という場合が一般的ですが、通信制高校の場合は、この“留年”というところが全日制高校と異なります。通信制は、単位制の仕組みにより留年がないのです。留年というのは、出席日数が足りなかったとか、ある科目のテストが基準値に届かなかったとかといった一部の学習成果が進級基準を満たせずに起こります。一部の学習成果が未達の状態ですが、結果は基準を満たしたところも含めて学年全部をやり直しということになります。
通信制高校の場合は、ダメなところはダメだけど、OKなところはそのまま認めて学習成果を引き継げる仕組みです。そのため、高校をかわろうとする場合にスムーズに卒業までの道筋がつけられるのです。
入りたい高校をあきらめずに探す!
転入学、編入学に至るプロセス
転入学、編入学を決心したら、最初にやることは入学できる高校を探すことです。言葉を換えて言えば、入りたい高校をもう一度探すことです。通信制高校は、前籍校の学習成果を引き継げることや、入学時期が多いというメリットがありますが、入りたい高校かどうかをしっかりと見ることは、全日制高校と同じです。
入りたい高校を見つけるポイントは、まず自分がどんな高校生活を送りたいかイメージすることです。といっても、それがうかばないという場合もありますね。周りに高校をかわった人がいればその人に話を聞かせてもらうのはいいヒントになります。
私のやっている『通信制高校・サポート校合同相談会』では、高校をかわった人などの体験談をインタビュー形式で聞いていて、そういうところに参加してもらうのもいいでしょう。
入りたい高校が見つかれば、その高校が転入学、編入学を受け入れてくれるかの確認で、学校説明会に行ったり、電話で聞いたりという手段でできます。
入学を受け入れてくれるようなら、今度は転入学なら在籍校、中退しているのなら前籍校の先生に相談して必要な書類を用意してもらうことになります。どんな書類が必要かは、入学予定の高校で教えてくれます。書類のやりとりは、学校間で行われるので、あとは、転入学、編入学試験を受けて合格すれば高校をかわることができます。
高校をかわりたくなったときは、言葉をかえていえば「どんな高校に入りたいか」をもう一度探すときです。転入学、編入学の知識を活かして、あきらめないで自分に合った高校を探してください。