[伊東豊雄展 台中メトロポリタンオペラハウスの軌跡 2005-2014]
会期:2014年10月17日(金)-12月20日(土)
開館:11:00-18:00
休館:日曜・月曜 ただし10月26日(日)、27日(月)、11月2日(日)、3日(月・祝)は開館 入場無料
会場:TOTO ギャラリー・間
東京都港区南青山1-24-3 TOTO 乃木坂ビル3F
問い合わせ:TEL.03-3402-1010
URL:www.toto.co.jp/gallerma/
伊東豊雄(いとうとよお/Toyo Ito)
これまでに日本建築学会賞作品賞をはじめ、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル、プリツカー建築賞などを多数受賞。
現在、東日本大震災の復興活動に精力的に取り組んでおり、住民の憩いの場「みんなの家」の建設を推進中。2011年には私塾「伊東建築塾」を設立し、これからのまちや建築のあり方を考える場としてさまざまな活動を行っている。
現在、東京・乃木坂のTOTO ギャラリー・間で、記念すべき第150回目となる展覧会[伊東豊雄展 台中メトロポリタンオペラハウスの軌跡 2005-2014]を開催中です。
来年末のこけら落としを控え、台湾で今まさに最終局面を迎えた伊東豊雄の最新作[台中メトロポリタンオペラハウス](正式名称が「台中国立歌劇院」に決定)は、三次元曲面がシームレスに連なる生命体のような「エマージング・グリッド(生成するグリッド)」の概念に基づいた巨大な洞窟を思わせる空間。
その実現への9年間にわたる挑戦の軌跡をぜひご覧ください。
大型模型とパネルで9年間の軌跡を知る
3階の会場の壁面には、[ゲント市文化フォーラム]応募案から始まり、2005年の[台中メトロポリタンオペラハウス]コンペティションから現在に至るまでの進行過程が時系列でパネル展示されています。中央にはその過程で生み出された、1/200から1/50までの6つの大型模型が鎮座しています。特にオペラハウスのメインとなるグランドシアター(2000席超の大劇場)のためのスタディ模型は大迫力。
会場に続く中庭には、トラスウォールの鉄筋が露になった実物大の壁のモックアップが設置されています。鉄筋以外の全ての資材を台湾の現場から持ち込んで造り上げた力作です。
今年8月の現場の様子。撮影:イワン・バーン
大小6つの模型が会場の中央に置かれている。
内外の詳細が分かる1/50の現場確認用の大型模型(2009年)。
長さ15mに渡って展開する進行過程のパネル展示。
オペラハウスの原点となった[ゲント市文化フォーラム]応募案のコンセプト模型。
コンペティション1次の構造模型(上)と実施設計段階の構造模型(下)。
中庭に置かれた高さ4.9mのトラスウォールの実物大モックアップ。
左官仕上げの壁の厚さは40cm。
3Dバーチャル映像とドキュメント映像
4階は映像のコーナーです。必見なのは会場手前のヘッドマウントディスプレイです。これを装着して首を回せば、現場の様子を上下左右360°の動画でバーチャル体験できるというもの。驚きの映像をぜひお試し下さい。正面の壁にはプロジェクトに深く関わった関係者や、建築史家・建築家の藤森照信氏、コンペの審査委員達へのインタビューや、伊東豊雄氏が友人でもあるオランダの世界的建築家レム・コールハース氏を現場に案内した様子や、困難を極めた配筋工事と施工中の映像が流されています。
伊東豊雄氏のかつてない新たな空間実現への挑戦は、多くの困難を乗り越えながら、ようやく完成形を見せ始めています。この機会にぜひご覧下さい。
テーブルに置かれたヘッドマウントディスプレイと撮影された位置を解説したパネル。
左右の壁にイワン・バーン氏が今年の8月に撮影した現場写真が並ぶ4階の映像コーナー。映像は現場を視察する伊東豊雄氏とレム・コールハース氏。