夜勤や残業で夕食時間が不規則……規則正しい食生活が理想だが
現代人は忙しい上に、シフト勤務など昼夜逆転の生活をしている人も少なくありません。遅い時間に食事をしなければならないときも、身体に負担をかけない食べ方を考えてみましょう
しかし忙しく働く方たちにとって、食事時間がどうしても遅くなってしまうこともあるでしょう。夜勤が多い人や、残業で帰宅が21時を過ぎてしまう人も珍しくありません。「健康のために20時までに夕食を」と言われても、「できないものはできない」というのが現実だと思います。
しかし、仕事のためとはいえ、身体に負担をかけてしまっては辛いところです。いったいどうすればよいのでしょうか? 残業や夜勤勤務の方が注意すべき食生活のポイントをご紹介します。
ケース1:残業がある場合の食生活のポイント
まず、食事が遅くなってしまう理由を考えてみましょう。「残業のため」とか「習い事のため」という人が多いように思いますが、ここでもう1歩踏み込んで考えてみます。残業は就業時間で仕事が終わらなかったため、居残りで仕事をしているわけですから、忙しいのは間違いないでしょう。しかし、仮に遅めのお昼休憩をとった人であっても、ほとんどの場合14時からは業務に従事しているはずです。一般的な終業時間である17時または18時までに、3~4時間は仕事をしている計算になります。3~4時間仕事をした後のタイミングでこのまま仕事をし続けても、疲れがたまり仕事の効率はどうしても落ちてしまうでしょう(時々、終業時間近くになって、エンジンがかかるタイプもいるようですが、その場合も“タイミング”がずれていますので、食事時間や睡眠時間を見直す必要がありそうです)。
■残業途中にコンビニ軽食などで小腹を満たす
まず考えていただきたいのは、終業時間になったら休憩時間を入れることができないかということです。休憩を入れるのは終業時間直後でなくても構いません。19時頃がきりがよいのであれば、それでもよいのです。ただし、終業時間直後だと残業に突入してしばらくしてからよりも、社内がそわそわしている時間だと思うので、休憩はとりやすいように思います。
その休憩時間に食事に行ける状況であれば、済ませてしまうのもよいでしょう。開いているお店がなかったり、休憩が短時間しかとれなかったりするのであれば、コンビニのものでもよいので、食事の一部としておにぎり1個、レトルトのわかめスープやもずくスープ、ヨーグルト1個などを何か1つ食べて小腹を満たし、残業を行ってください。
■帰宅後は軽めの夕食を
帰宅後は、小腹を満たしたときに食べた分を差し引いて、食事をするようにします。例えば、休憩時間におにぎりを食べたのであれば、小さめの肉か魚(豆腐や卵も適しています)と野菜のおかずを、わかめスープを飲んだのであれば、少なめのご飯と小さめの肉か魚(豆腐や卵もOK)、野菜のおかずといった具合です。いずれの場合も、あとは寝るだけですので量は少なめにしてください。
「ゆっくり時間がとれるのがこのタイミングだけだから」と1日の中で最も食事量が多くなっている人も多いようですが、夜遅い時間の食事量がそれではよくありません。食事量は1日3食、同じくらいの量を食べることが望ましいですが、難しいようであれば食事量を多くするのは朝食がよいと思います。起きぬけでたくさんの量を食べることができないという人は、昼食の量を多めにしても構いません。いずれにしても、帰宅後の夜食を「1日の食事のメイン」にすることだけは避けてください。太る原因になります。
ケース2:夜勤やシフト勤務がある場合の食生活のポイント
次に問題になるのは夜勤やシフト勤務の場合です。夜勤の場合は、完全に「昼夜逆転」になりますので、20時は既に仕事中であることが多いでしょう。そのため出勤前に食事をし、夜中の休憩中に軽く食事を摂りましょう。そして終業後、寝る前のタイミングで食事を摂るようにします。このとき、終業後の寝る前が「午前中」になることが多いので、日勤の人の「朝ごはん」に当たるタイミングですが、夜勤の人はこれから就寝するタイミングになります。そのため終業後の食事は軽く、出勤前の夕方の食事をメインにするようにしましょう。
シフト勤務の人は、少し知恵を絞る必要があります。自分のシフトの数だけ1日のスケジュールを書き出して並べてみて、タイミングが合うように食事の時間を調整します。そして、いずれのシフトでも睡眠時間から最も遠いタイミングの食事がメインになるように食事量を調節します。
健康な食事の基本は「量・質・タイミング」
ダイエットの本や健康本を読んでいると、「バランスのとれた食事を摂りましょう」という文字が躍っています。この「バランスのとれた食事」というのは食事の「量」と「質」そして食べる「タイミング」が整った食事を指します。それらが整った「これが健康的な食事のスタイルだ!」といえる青写真はあります。高度成長期時代の生活です。しかし、高度成長期時代のように国民全体が朝一斉に起き出して、夕方には帰宅し家族と食卓を囲むという生活を営むことは難しいのが昨今の現状です。
しかし、だからといってあきらめてしまってはいけません。自分の生活を見直して、仮に青写真通りでなくても、類似した健康的な生活を送るにはどうしたらよいのか? 健康のために何かできることはないか?と模索し、実行することが健康長寿につながっていくと思います。