肥満・メタボリックシンドローム/肥満・メタボリックシンドロームの基礎知識

脂肪が燃えると増える?除脂肪体重の不思議

脂肪が燃えると痩せると考えがちですね。体の仕組みは、脂肪が燃えると水(代謝水)ができます。実は、できる水の量が燃えた脂肪の量より少し多いので体重(除脂肪体重)は増えてしまうんです。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

脂肪が燃えると痩せると考えがちですね。体の仕組みは、脂肪が燃えると水(代謝水)ができます。実は、できる水の量が燃えた脂肪の量より少し多いので体重(除脂肪体重)は増えてしまうんです。


除脂肪体重って?

meat_肉
除脂肪は赤見という意味ではありません。
除脂肪体重は字のまま意味です。体重から脂肪を除いたのが除脂肪体重です。細かくみると脂肪(中性脂肪)はいろいろの部位に存在していますが通常、除脂肪体重は皮下脂肪と内臓脂肪を抜かした体重と考えます。

脂肪はどこにあるの?

この機会に皮下脂肪、内臓脂肪以外の脂肪について少し見てみましょう。脳は脂質(複合脂質)を多く含んでいますが通常は脂肪にはいれません。

眼球の後と眼窩(頭蓋骨の眼球を入れる凹み)の間には外部からの衝撃から眼球を守るために脂肪があります。痩せると目が凹むのは、この部位の脂肪減少も関係しています。

呼吸器には脂肪はついていません。肺を膨らます時に邪魔になるからです。

心臓は心筋と心臓を覆う膜(心嚢膜)の間に脂肪があります。肥満体の人は、この部分の脂肪が増加しています。

豚骨スープの油は豚の骨髄から出てきた物です。骨髄は脂肪組織の中に造血細胞が浮かんだ構造です。

肝臓は脂質の代謝に関係した臓器です。重量の数%の脂肪が存在します。脂肪肝は含有量が増した状態です。

筋肉はどうでしょうか? 牛肉では霜降り肉があります。豚肉でも霜降り肉があります。この場合は筋肉細胞脂肪です。

一方、いわゆるスタミナに関係した脂肪として筋肉細胞脂肪があります。この量が多いと血中から脂肪酸を取り入れずに有酸素運動で筋肉を長時間、動かすことが可能です。陸上の長距離選手では、この筋肉細胞内脂肪が多いと強い選手になれます。


>>次ページでは、脂肪が燃えてできる水(代謝水)を説明します。>>
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