貯金ができない原因は、性格ではなく「習慣」
お金が貯まる人の習慣とは
――“なぜかいつもお金がなくなってしまう”という人がいる一方で、少ない収入でもしっかり貯められる人もいます。何が違うのでしょうか。
古川武士さん 貯金ができないのは、性格ではなく「習慣」の問題なんです。ですから、お金持ちになりたいと思うのであれば、「お金が貯まる習慣」を身に付けることが重要です。習慣は、「行動」「身体」「思考」に関するものに分けられますが、このなかで「行動」にまつわる習慣が一番変えやすい。例えば、片付けや勉強、そして節約や貯金といったお金に関する行動習慣がそれに当たります。その次が、ダイエットや運動、早起き、禁煙といった「身体」の習慣。そして、最もハードなのが、ネガティブな考え方をポジティブにしたり、論理的な考え方に変えるといった「思考」の習慣化なんですね。この場合、半年くらいの期間を要します。
――“ズボラだから貯められない”といった人も、貯金や節約といった“行動習慣”を身につけることはできるわけですね。
古川 難しいことではありません。ただし、習慣を変えようとする時には、新しい変化を拒む潜在的な引力が働き、邪魔をします。でも、そこでやめてしまうと元通り。脳が「いつも通り」と認識するまで続けることが大切です。
そもそも、なぜ貯められないのか。それは、「コントロールを失っているから」なんです。収入が非常に低いというケースは別として、貯められない人は、例外なく“なんとなく使ってしまう”という悪い習慣がある。それは、自分自身をコントロールできていないということです。コントローラーを失うと、悪い連鎖が始まってしまいます。
貧乏習慣の持ち主は、コントローラを手放している
悪い習慣って治るの?
古川 例えば、夜ふかしをして朝寝坊したとします。時間がないから会社行くのもギリギリになるし、慌ててしまって落ち着かない。そうなると、仕事のウォーミングアップが十分にできず、パフォーマンスが下がったり、ミスをしてしまう可能性が増える。おまけに、寝不足だから身体もだるく、仕事の効率も下がって帰るのが遅くなる。こんな風にいったん悪いスパイラルに入ると、どんどん自分のコントロールを手放してしまうのです。
そうなると、もはや制御できない。習慣は、よくも悪くも連鎖反応を起こすのが特徴ですから、その逆も然りです。良い習慣を持つことで良いスパイラルに突入し、物事がうまく回り始めます。
★次回は、お金が貯まる良い習慣の作り方をおうかがいします。
教えてくれたのは……
古川 武士さん
取材・文/西尾英子