14の小屋が自由な家づくりのきっかけになる!

「できるだけ広いところに住みたい!」とは、誰しも考えるごく自然な欲求です。ですが、趣味的なことになると「狭くていいから自分の書斎を持ちたい」「小さくていいから自分の店を持ちたい」という控えめな欲求に変わります。自分らしい暮らしとか好きなことができる場所というのは、意外に面積を必要としないのかもしれません。
小屋展示場

虎ノ門ヒルズの近くで開催された「小屋展示場」の様子。全部で14棟の小屋が出展されています


今回、開催された「住宅展示場」ならぬ「小屋展示場」は、そんなもうひとつの願望をカタチにしているように思えます。

出展している小屋は全部で14棟。どれもが3.3メートル×3.3メートルの前後の小屋。床面積としては10平米以下、6畳くらいですから、いわゆる「はなれ」のようなもの。「好きに暮らそう」をテーマに、それぞれの建築会社や建築家などが自由な発想で作っています。気になったいくつかの小屋を紹介しましょう。

あったらいいな! こんな「小屋」

ウィズの森

ウィズの森によるKOYAKAYA。親子で遊べる秘密基地

まず目についたのが、小屋というよりアスレチックな秘密基地で、ウィズの森 の作。一部に屋根も付いていますが、その屋根に上り座ることもできます。2階部分の床は竹をつないだだけですが座り心地がよく、麻でできた蚊帳付き。いろいろなところに座って、夏の外遊びを満喫できそう。

タマホームの小屋は「籠‐KOMORU」。住まいの庭に籠るイメージ。日本の伝統的な工法である板倉造りを採用。部材をキット化した「大人のプラモデル」のようなもの。屋上を緑化で屋根面の気温上昇を防いでいます。
タマホーム

こちらがタマホームの籠-KOMORUの室内。屋根は屋上緑化されています


茶室

銅版の屋根が目を引く和風の小屋は建栄の作。中を見るとこだわりの和の空間です

唯一、和風の小屋は建栄によるもの。屋根が銅版、外壁はわらと土、砂利、セメントを調合した土壁で、室内は畳の間。室内の壁は手漉き和紙を赤土で染めたもの。玄関の扉は昔のお屋敷のくぐり戸という具合にかなり凝った茶室のようなデザイン。「小屋が何なのかというときに、素人じゃ作れない職人の手の技が出るものをつくってみました」と担当者は言います。小屋の名前はうたたねを意味する「Go‐sui」。同じものを作るなら費用は250万円とか。気になる存在です。

カナダから来た組立式の小屋「ボートハウス」は52万円~。ログハウスの横に置いたら似合うカナダ産レッドシダー製。大型バイクやカヌーの収納にピッタリです。キット販売ですが、パネル式で組立は簡単とのこと。フックや棚もつけられるし、ペイントして自分の好きな小家にするのも楽しそう。

東急ハンズとキューブスタイルによる小屋は屋上付き。モダンなデザインでフルオープンサッシ付き。コンパクトながら鉄骨ラーメン構造の強靭な躯体とアレンジ自在の有孔ボードと棚柱が付いた壁で、ディスプレイしやすいのが特徴。建物の横のはしごから屋上へ。空を見ながらぼーっとするのもいい感じ。
東急ハンズ

東急ハンズとキューブスタイルのコラボによる小屋。価格は240万円


可愛い雑貨屋さんのような外観はヒロ建工の作。カントリー好きの女子をとりこにしそうな空間です。モザイクタイルで何か作ろうとしているコーディネートがぴったりはまっています。ロフトもあり、ちょっと昼寝も可。

ヒロ建工

緑色にペイントされた雑貨ショップ風の小屋(ヒロ建工)。洋服や雑貨などを作ったり、作ったものを飾るのに似合う


同様に内部構造として空間構成フレームを用いたハウスインナーボックスはクルー+森田建築設計+カントリーベースのコラボ。自立式空間構成フレームを骨格にアウターパネルを取り付けたタイニーハウスです。基礎工事やアンカー設置を必要としない構造でDIY組立が可能。外壁にデザインコンクリートを用いてコラボならではの出来栄えです。

インナーボックス

ハウスインナーボックスは空間構成フレームが特徴


また気密性や防水性にこだわったのは桃山建設のCOBACO。4.5畳の親子のための秘密基地ながら居住性も考えた10年保証。オヤジのためのワインセラーも備えていました。

スモールハウスを紹介するサイト・YADOKARIのヤドカリ小屋部がウェブマガジンgreenz.jp 代表の鈴木菜央さんとコラボして建てたのは廃材を使ったもの。葉山の古家解体に参加して部材を調達。ヤドカリ小屋部のサポーター35人ほどがDIYで初めて作ったそう。材料費はほぼタダ、建築期間約1週間。みんなで造る楽しみを共有しました。

やどかり小屋部

家づくりはもちろんDIYがはじめてのYADOKARI小屋部のメンバーがつくった小屋。35名のメンバーのうち約8割が女性だったというのもびっくり


 150万円~250万円で別荘にプラスαの楽しみを追加する

紹介したのは14棟の一部ですが、たかが小屋、されど小屋。提案した人たちのこだわりはさまざまで小さいながらも見ごたえは十分。各小屋で価格も公表されておりますが、だいだい50万円~250万円くらいです。

もともと母屋ありきの「はなれ」ですから、自分の好きが何であるかで求めるものは違ってきます。「自分らしい暮らしを考えるツールのひとつとして小屋を考えて欲しい」と語るのは小屋展示場の主催者であるSuMikaディレクターの佐藤純一さん。以前、ツリーハウスの展示も開催しており、「小屋は今、ブームです」と言います。特に今の20代~30代は自分の消費行動について「そもそも」を考える傾向があり、「そもそも、自分に必要な家とは何だろう」と考えた時、ミニマムな小屋が最初にあるのだとか。

一方、リタイア後のシニアにおいても「自分の好き」を考える時間が多くなります。すでに別荘を持っていながら、その敷地内に趣味小屋を備えている人はたくさんいらっしゃいます。こんな趣味小屋を建てたいのだけれど、どこに頼めばいいの?という時に、この小屋展示場は目で見られるマッチングスペース。もちろんWEBでも検索できますが、実物を見られるのが展示場の良さです。開催日は10月13日(月・祝)までですが、趣味小屋希望ならぜひ見学を。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。