免税品販売が熱い!
今年4月に消費税が5%から8%に増税、円安による輸入商品価格の上昇がダブルパンチとなって、個人消費が盛り上がりません。しかし、この影響を受けていないどころか、追い風となっている消費関連の一角があります。免税品販売を行っている企業です。訪日外国人旅行者が、昨年比25%以上増加しており、今年は1200万人を超えそうな状況です。2020年東京五輪開催時までには、年間2000万人を目標に、訪日外国人旅行者を増やすのが、アベノミクスの成長戦略の一つです。円安も追い風となり、訪日外国人旅行者のお土産の免税品の売上が好調なようです。
また、2014年10月1日から免税制度は改正され、今までは家電、装飾品、かばん等の一部品目のみが対象でしたが、今月以降、5000円超の全ての品目に拡大されることになります。免税品販売には更なる追い風となりそうです。
今回は、福の神が注目した免税品販売関連銘柄を3銘柄ご紹介しましょう。
コメ兵<2780>(東証2部)
コメ兵<2780>は名古屋市中区大須に本社がある高級品リサイクルの最大手企業。新興国からの外国人旅行者が、観光バスで銀座に乗り付ける光景も、今や珍しくなくなりました。旅行者は銀座のブランドショップを見て、次にどこへ行くかといえば、コメ兵です。コメ兵では、バックなどのブランド品、宝石、時計などの高級品の中古販売を行なっているからです。事実同社でも、売上高外国人比率が大きくなってきており、同社の売上の10%以上は、訪日旅行客によるもの。隠れた「クールジャパン」関連銘柄です。
東京・大阪・名古屋など全国展開しておりネット通販も行っていますが、本拠地は名古屋。「いらんモノは、コメ兵に売ろう」のテレビCMは、名古屋人であれば誰もが知っているはずです。名古屋へ行ったら、ぜひテレビをつけてみてください。びっくりするような頻度でテレビCMが流れています。
それくらい、同社は買い取りに力を入れているともいえます。販売店にするには小さすぎる店舗を、買取専門店としているのです。そして、メインの販売拠点は名古屋・大須店と銀座店。要するに、売れるものを売れる店に置くという方針で収益性を上げています。
最近では、ネットでの宅配買取サービスも行うとともに、ネット販売にも力を入れています。また、香港には子会社を設立し、業者向けのオークション市場に参入をはかって、日本で買取った商品を海外で売る事業も展開し始めました。さらには、ダイヤモンドオークション運営会社との業務資本提携も始めました。
円安によってブランド品の価格が高騰し、相対的に割安感の増した中古品の人気が高まっていることも、同社にとっては追い風といえるでしょう。
高級品中古品販売のGNT(グローバル・ニッチ・トップ)企業です。
■株式データ
株価 1931円
単元株数 100株
予想PER(連)11.75倍
実績PBR(連) 1.4倍
予想配当利回り 1.45%
時価総額 約223億円
シュッピン<3179>(東証マザーズ)
シュッピン<3179>(東証マザーズ)は東京都新宿区西新宿に本社があるカメラ・時計などの中古品・新品をネットと店舗で販売しています。カメラと時計、それに万年筆、ブランド自転車ときたら、いかにもこだわりのある男性が好きそうな高額商品です。コレクターも多そうなこれらの商品。実は今、百貨店から、専門中古ショップへと、顧客層は移ってきています。シュッピンは、中古パソコンショップのソフマップの創業者が設立したネット通販企業。日本最大級の中古カメラ取引サイト「Map Camera」や高級時計取引サイト「GMT」などを運営しています。つまり、男性向けの高級品に特化しており、これらネット店舗のほかに、リアル店舗でも販売しています。ポイントは、在庫はリアル・ネット共通であること。それに独自のワンプライス買取制度が、仕入れに貢献していることです。これは、品番によって、「最低価格はいくら以上」と買い取り価格を定めたもの。「自分の逸品が安く買い叩かれるのではないか」という売り手の不安を払拭する効果があり、買い取りが非常に好調に進んでいます。
海外ブランドのカメラ・時計を多く取り扱っていますが、円安による新品価格の高騰により、相対的に割安感のある中古品の人気が、市場では上昇しています。新品価格が割安だった円高局面の頃よりも、非常に望ましい状況といえます。
顧客についても、外国人客比率は16.7%まで高まっています。といっても、インバウンド型のグローバル企業です。外国人客は、基本的には旅行者なので、「これがほしい」という指名買いで、確実に買ってくれるという好ましいお客さまです。また、新品も取り扱っているため、中古品と比較して必ずどちらかは買ってくれるというメリットもあります。国内顧客に対しては、新品も販売することで、新商品が出たら下取りして同時に仕入れができるというメリットもあります。
アベノミクスによる資産増大効果で、富裕層をターゲットとした高額消費は好調なので、今後の株価上昇も大いに期待できそうです。
■株式データ
株価 1720円
単元株数 100株
予想PER(連)20.6倍
実績PBR(連) 5.83倍
予想配当利回り 0.58%
時価総額 約110億円
ドンキホーテホールディングス <7532>(東証1部)
ドンキホーテホールディングス<7532>は東京都目黒区青葉台に本社がある深夜まで営業する総合ディスカウント店を運営。ドン・キホーテグループは国内257店舗で免税免許を取得済みで、2013年国内全体の訪日観光客約1036万人のうち、半数以上の約550万人がドン・キホーテグループの店舗に来店しているそうです。10月1日の免税品の拡大に伴い、訪日観光客専用のコールセンター「ウェルカムデスク」を新設しています。
海外籍を持つ社員や留学生で組織された24時間・4カ国語(英語・中国語・韓国語・タイ語)に対応するネイティブのスタッフによる「ウェルカムデスク」を新設し、全国のドン・キホーテグループ各店舗とipadのテレビ電話を介して、訪日観光客のあらゆる疑問や相談に24時間対応します。特に訪日観光客の多い全国約20店舗では、免税カウンターを設置し、各店舗専任の訪日観光客対応スタッフ「ウェルカムクルー」を配置しています。
■株式データ
株価6090円
単元株数 100株
予想PER(連)21.61倍
実績PBR(連) 2.55倍
予想配当利回り 0.59%
時価総額 約4832億円
*株式データは、2014年10日2日終値データ
*本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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