野鳥のさえずりで目を覚まし、四季の花々が咲く庭で食事をし、満天の星の下で静かに語り合う……。「あぁ、この他に何が必要だと言うんだ!」と、夢いっぱいだったはずの田舎暮らし。しかし実際に暮らしてみると、快適さの裏側には予想もしなかったトラブルが潜んでいます。

今回のテーマは、マスコミ等でよく喧伝される「月10万円で暮らせる田舎暮らし」について。果たしてこの金額で、豊かな田舎暮らしが実現できるのか?

月10万円では、私は田舎で生きていけない…

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以前、「月10万円で暮らせる田舎暮らし」というテーマで、出版社から執筆依頼を受けたことがあります。

10万円ポッキリで!? 我が家の場合はニコチン・カフェイン・アルコール・書籍、プラス出張費で月10万程度は軽く出ていってしまいます。まぁ、アルコール消費量の割合いが一般家庭と違い相当占めてはいるんですが……。

執筆依頼の折に「その金額では私はトーテイ田舎で生きていけない!」と抵抗しました。しかし「思い描いていた生活とのギャップに戸惑った」等といった、ネガティブな要素にも触れても構わないということになり……。取り急ぎ、他の執筆候補者のエピソードを送付してもらいました。

月10万で田舎暮らしを実践している人がホントに居るのか? 出版社から送られてきた資料を読んでみると、それぞれの移住者の悪戦苦闘ぶりが伺えます。

先輩たちの田舎暮らし節約術

  • 自宅には水道を引かず、雨水や湧き水を生活用水や飲料水としている人
  • 自分で釣った魚を近所で野菜と交換、ビーチでは海藻を拾うなど、海の恵みを存分に活用している人
  • 自宅の温泉が10tまで使い放題のため、お風呂の水代とガス代が全くかからない人
  • 50坪の土地を年間35000円という格安の賃料で借り自宅を建設した人等々

月10万円が絶対不可能とは言いませんが、しかしそれは上記のような特筆的な好条件を手に入れることができた、一部の恵まれた人だけ。田舎へ移住しての暮らしは金だけではないといっても、ユメとカスミだでは生きていけない。都会と比べれば、ほとんどの人が収入減となるのは当り前なんですから。

消費支出+消費支出って何のこと?

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「月10万円」体験者のエピソードを、改めてチェックしてみました。すると、収入の中から強制的に支払わされる、直接税や社会保険料の記述が見当たらない!

つまり、地方税(県民税や住民税)や固定資産税、国民健康保険料、マイカー維持費(月々のローン・車検代・税金・保険料)といった支出(いわゆる非消費支出)が明示されていません。

一方、個人・家族が生活を維持するための支出が「消費支出」。食費や住居費、光熱費、教育費といった生活費(家計費)のことですね。この消費支出だけなら、何とか月10万円(年120万円)程度で田舎暮らしをやり繰りできそうですが……。

自給自足が原則、車も要らない、ガスも灯油も一切使わない、税金・保険料なんか関係ないといった超節約生活ができるのは、あの無人島0円生活の「よゐこ」だけ。

せめて、のんびりと田舎時間だけは楽しみたい我が家には、年70万前後の生活費以外(非消費支出)の支出を加算した総計がいちばん現状に近い数字でしょう。

年190万円で暮らせる田舎暮らし

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消費支出が月10万円(年120万円)、プラス非消費支出(年70万円)。これならギリギリやっていけそうです。油断しないで、生活費(家計費)を節約しましょう。

家庭菜園でプチ自給自足、燃費の良い軽トラ・自転車の活用、地元住民向け公共温泉の利用等々、田舎ならではの色んな工夫が考えられます。

*もっともっと節約したい人はココで>>都会で田舎のエクササイズ/粗食に耐えてみる編

都会を離れての田舎暮らし。生活環境もガラリと変わってしまいますが、何よりも都会と違うのが暮らしの中での「経済環境」。田舎ならではの思いがけない出費や転職等での収入の増減といった、暮らしの収入と支出をしっかり把握して移住することが重要です。

次回は「月10万で暮らす……」の続編。遂にガイドが、田舎暮らしのお財布事情を告白する予定です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。