全国各地で積極的に取り組まれている「地域ブランド」づくり。その地域ならではの自然、食、歴史・文化、観光地、特産品などの資源を活用することで、郷土のイメージを高め地域活性化に結びつけることが「地域ブランド戦略」。今回は「温泉」に注目してみました。

「温泉のまち」として思い浮かべる市町村は?

日本全国には名湯・秘湯が目白押しです。著名な温泉地や穴場の秘湯、銭湯感覚で天然温泉が堪能できる温泉三昧の田舎暮らし。以下のランキングは、2011年7月に実施された「地域ブランド調査2011」のデータを参考にしています)

画像はイメージです

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温泉地を抱える自治体が、「温泉のまち」としてどれくらい想起されているのか、その想起率(%、想起していた人の割合)を高い順にランキング。

1位は別府市(別府温泉)で50.9%。次いで登別市(登別温泉)が42.2%、3位は熱海市(熱海温泉)が41.7%という結果となりました。

続いて伊豆市(修善寺温泉)、箱根町(箱根湯本温泉)、草津町(草津温泉)、下呂市(下呂温泉)と続いています。

20代が思い浮かべる温泉のまち

トップが熱海市(熱海温泉/39.0%)、2位が伊豆市(修善寺温泉/36.5%)、その他箱根町の箱根湯本温泉、日光市(日光湯元温泉)、湯河原町(湯河原温泉)など、比較的関東圏に近接した温泉地がまちのイメージとして強く想起される傾向にあるようです。

また、3位にランクインした下呂市(下呂温泉/32.8%)では、冬から春(1~3月)まで毎週土曜日に花火が打ち上げられる「花火物語」や2012年から新たにスタートした「下呂温泉花火ミュージカルクリスマス公演」なので、宿泊客を楽しませています。ポカポカの温泉+音と光の花火。これらの取り組みが結果として、都市部の若者の人気を集めているようです。

30代・40代が思い浮かべる温泉のまち

この年代は比較的似た傾向を示しており、登別市(登別温泉/30代は39.8%、40代は45.7%)や伊東市(伊東温泉/30代は21.9%、40代は34.2%)などのイメージ想起が、20代に比べ高いポイントになっています。

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登別市(登別温泉)は、硫黄・食塩・明ばん・芒硝・緑ばん・鉄・酸性鉄・重曹・ラジウムの泉質の温泉が湧き出す「温泉のデパート」と呼ばれ、人気の高い温泉地ですね。

別府、熱海と共に日本三大温泉郷のひとつに数えられる伊東温泉郷。家族から団体客まで多様な旅のスタイルに応える宿泊施設、お座敷芸などを体験できる温泉文化イベント、海洋公園など、地域資源をパッケージで楽しめる提案で相乗効果を高めています。

50代が思い浮かべる温泉のまち

トップが別府市(別府温泉/55.2%)、2位が熱海市(熱海温泉/44.8%)、3位が登別市(登別温泉/44.0%)。

4位ながら由布市(湯布院温泉/42.5%)のイメージ想起が、他の年代に比べ非常に高くなっています。まず「湯布院」という町名が、結果として温泉地としてのイメージの向上に貢献したこと。住民の徹底した自然や環境へのこだわり、女性客へのターゲットの絞り込み。こうした地域ブランドの整備が、年間300万人を超える湯布院ファンを獲得したと考えられます。

60代が思い浮かべる温泉のまち

1位は別府市(別府温泉/57.9%)、2位は登別市(登別温泉/56.6%)と、順位的には40~50代と似た傾向です。

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特徴は、指宿市(指宿温泉/44.2%)と、白浜町(白浜温泉/43.2%)。1960年頃から始まったハネムーンブームでスポットを浴びた、この地域のイメージ想起率が高くなっているところです。

「東洋のハワイ」と呼ばれた指宿温泉、「近畿の奥座敷」として名高い白浜温泉など、その地域ならでは資源を効果的に活用し、「温泉のまち」としてのブランドは現在も健在です。

地域の“自己主張”は他の地域との差別化を図ることができ、そこで暮らす人々の自信と誇りだけでなく、旅行者や一般の生活者にも共感、愛着をもたらしてくれます。そして田舎暮らしの移住地探しにとっても、大きな手助けになってくれるのではないでしょうか。
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