下り最大150MbpsとTD-LTEに対応
外観以外の面で変化しているポイントは、性能面です。特に今回は、ディスプレイが大型化されたことから、さらに高速になったCPU「A8」を搭載。グラフィック性能も大幅に向上させ、より快適な動作を実現しています。モーションコプロセッサも「M8」へと進化し、新たに気圧計にも対応するなど進化を遂げています。もう1つの進化ポイントは、カメラです。CPUの性能強化もあり、新たに240fpsのスローモーション撮影を実現したのに加え、iPhone 6 Plusは光学式手ブレ補正機能を搭載。一層美しい映像が撮影できるようになりました。
そしてもう1つ、注目されるのが通信機能です。iPhone 6/6 Plusは新たに下り最大150Mbpsの通信速度を実現するなど、LTEでの通信が大幅に高速化されました。対応する周波数帯の幅も広い上、auなどが展開している、複数の周波数帯を組み合わせて通信速度を向上させる「キャリアアグリゲーション」にも対応しています。
またLTEの通信方式に関しても、従来の「FDD-LTE」方式に加え、新たに中国などで多く利用されている「TD-LTE」方式にも対応。この方式は、auが利用しているUQコミュニケーションズの「WiMAX 2+」や、ソフトバンクモバイルが利用しているWireless City Planningの「AXGP」などと互換性があることから、TD-LTEへの対応は日本でも高速通信の実現に大きく貢献しているのです。
多くの周波数帯と通信方式に対応しているということは、それだけ混雑に強く、また利用できる範囲も広くなることを意味しています。実際ソフトバンクモバイルは、iPhone 6/6 Plusのそうした特徴を利用して、米国でも日本と同じ料金体系で通信が利用できる「アメリカ放題」というサービスを提供しています。米国に行く機会が多い方は覚えておくといいかもしれません。
ちなみに、通信機能で強化されたもう1つのポイントとして、Wi-Fiが上げられます。新たに「IEEE 802.11ac」という方式をサポートしたことで、従来の3倍の通信速度を実現していることから、対応するWi-Fiルーターを導入すれば、自宅で一層の通信速度向上が見込めるかもしれません。
次は、iOS 8の搭載による進化などについて、説明します。