シミュレーションは現実的な収益率を
積立による資金の捻出方法が決まったら、ライフイベントにおける目標額を設定することになりますが、その目標額よりも少し多めの金額を準備されるのがよいと思われます。アベノミクスによりデフレ(物価の下落)からインフレ(物価の上昇)に転換したこともあげられますが、教育費はアベノミクスに関係なく上昇傾向にあり、老後資金は公的年金の需給額の減少が予想されるからです。目安となる目標額は統計データなどを参考にされるとよいでしょうが、目標額が決まると同時に準備できる期間も自動的に決まるはずです。なぜなら、教育費であれば子どもの年齢で必要時期が自動的に決まり、老後資金であれば、会社の退職年齢や公的年金の支給開始年齢までが準備できる期間となるからです。
その後、捻出できる金額と運用利率を決めることになれますが、くれぐれも運用利率は楽観的な数値を使用するのではなく、現実的な数値をしてシミュレーションをしてください。表は一定の運用利率で、毎月1万円を積み立てた場合、一定期間後にいくらの資金準備ができるかを見るものです。
毎月1万円、運用利率0.4%、10年間積み立てた時の元利合計額は、横軸の運用利率0.4%、縦軸の10年が交わる122万4500円になります。毎月の積立額が1.5万円であれば、表の数字を1.5倍、同3万円であれば表の数字を3倍にして使用してください。
運用利率0.4%で積み立てると元利合計額は122万4500円ですが、運用利率を1.5%にすると同129万5400円、運用利率を5.0%にすると同155万9300円にもなるのです。運用期間が長くなるほどその差はより大きくなることになるため、運用利率は慎重に決めるべきです。
運用利率を高く設定してしまうと、その分高めのリスクを取る資産運用になってしまいがち。過度なリスクを取ってしまった結果、運用が上手く行かず目標額を下回ってしまうこともありえることを忘れないようにしましょう。