保育に疑問や不安を感じた時に
安全に遊べているかな?
子どもを長時間託す中で疑問や不安を感じるということは、預けっぱなしにしているのではなく、保育内容にアンテナを張っているということでもありますよね。改善してほしいと思うことは、まずは担任の先生に具体的に伝え、保育方針や保育環境と照らし合わせ実現させたり検討することができるものであるのか、無理であったり方針と異なることであるかなどを、聞いてみましょう。園の方針を理解し、園・保育者と保護者の信頼関係が育つきっかけになることもあります。
■担任に言いづらいなどの場合は、主任や園長に相談を
「挨拶しても保育士からの挨拶が返ってこない」「保育士の言葉が乱暴、子どもへの接し方が荒っぽい」……。こういった生活や信頼関係の基本となる部分や、子どもの育ちを考える上での不安を感じる場合は、その保育士本人ではなく、主任の先生や園長先生に、雑談がてらお話してみてはいかがでしょうか。
また、例えば、お迎えに行って「さようなら」をした後に、我が子のオムツがおしっこでパンパンに膨らんでいることに気づいたというケース。初めての時は「たまたま忙しかったのかな?」と様子を見ようと思う方も多いと思いますが、何度も繰り返されたり肌トラブルにつながるようなことがあれば、信頼関係に影響が出ます。「こういうことで戸惑ったのですが、オムツ替えに関して園ではどのような方針ですか?」といった質問の形であれば、言う側としても多少言いやすいのではないでしょうか。
■最終手段として自治体に相談しよう
いずれのケースにしても、保護者の気持ちにしっかり寄り添っている園でしたら、何らかの対応策を示してくれるはずです。本来はここで解決できることが理想です。しかし、相談をする気持ちを全く理解してくれないような対応であったり、日々の保育への不安が拭い去れない場合もあるかもしれません。最終手段としては、認可保育所でも認可外保育施設でも、自治体に相談してみましょう。認可保育所は市区町村、認可外保育施設は都道府県の監督・指導対象です。市区町村が設置している認可外保育施設は、各自治体へ相談しましょう。相談先に迷った場合には、まず、現在通っている保育園のある自治体に問い合わせてみましょう。
具体的には例えば、「体の清潔を保つ」「漫然とテレビやビデオを見せ続けるなどの放任的な保育をしない」「児童の心身に苦痛を与えることがないよう十分配慮する」などは保育者の義務であり、行政の指導監督の対象になります。相談の際には、「漠然とした不満」という印象を与えるのを避けるために、保育に不安を感じた具体的な事柄や対応を書面化して持参することをおすすめします。これは後々、相談した経緯や内容がうやむやになったり水掛け論になったりするのを防ぐ意味もあります。
保育の流れ全体に目を向けることも忘れずに
子どもが保育中にけがをしてしまったら「保育士の目が届かない部分があるからけがをした」と捉えるよりも、どのような状況で怪我が発生したものであるかを聞き、元気に走り回る子どもの生活の中ではある程度仕方のない範囲のことであるか、それとも防ぐことができた危険だったのか、防げた場合なら改善策など、今後の保育につながるような形で話を聞いてみましょう。また、園便りやクラス便り、保護者会での話などを通して、各年代の子どもの心や体の成長の特徴、月ごとや季節ごと、年単位などの保育目標を理解することが、保育者と保護者の距離をグンと近づけ、お互いに対する信頼感、安心感も育ちます。疑問に思えた対応が、保育士の経験の長短や度量などによるものだけではなく、園としての方針によることもあります。折に触れて保育方針を理解していき、その上で分からないことや納得のいかないことを質問してみると、お互いの理解を深める作業につながります。
>>「預ける」から「一緒に育てる」の視点へ