恋愛バラエティーの本場は浪花!?
「ねるとん」以前というと、しばらく「恋愛バラエティー」の空白期があったような気が当ガイド的にはしていました。同じ印象を持ってる人も少なくないことでしょう。ところが実際調べてみると、これも話題になった「プロポーズ大作戦」は、1973年から1985年までオンエアされており、空白期間は約2年ということになります。両番組に共通してるのは「関西制作」ということ。「ねるとん」はIVSテレビの制作で、関西テレビから全国ネットしていました。そればかりか、「あいのり」以前の「恋愛バラエティー」は全部と言っていいほど、関西制作なんです。
オシャレな雰囲気がなかったのはそのせいだ……と言うと、関西方面から火の手が上がりそうですが(笑)、実際のところ、素人参加番組の実績が高いというのが大きな理由ではないでしょうか。
「プロポーズ大作戦」の人気コーナー“フィーリング・カッブル5vs5”は、番組終了後も日本全国の学園祭イベントで開催されていましたが、さすがに今は下火になってるかもしれません。そんなレジェンド番組より、さらにさかのぼること1年前にスタートした、元祖的番組があるのです。
一目会ったその日から~
1972年10月に関西ローカル番組「ナイトパンチ」内の1コーナーとして企画され、後にはゴールデンタイムの全国ネットに昇格し、数々の流行語を生み出した「パンチDEデート」こそ、恋愛バラエティーの源流と言えるでしょう。司会は桂三枝(現・文枝)と西川きよし。昔ながらのお見合いを、セットの電飾やBGMのエレクトーンなど、当時のハイテク技術を駆使して華やかに演出したのが、人気の一因でしょう。この成功で、関西のテレビスタッフは「恋愛ネタはいける」と感じ取り、その後さまざまな企画が生まれました。しかし、その大半は交際中のカップルで出演し、ゲームやクイズ、トークを繰り広げるというもので、それほど大きな話題にもならず、ローカル番組のまま終了することが多かったようです。
やはり、視聴者は本気で恋愛に発展するプロセスを望んでいるようです。「テラスハウス」終了を惜しむ声が多いことからも、こうした傾向は今後も続くと見ていいでしょう。いつか従来のフォーマットを打ち破った、斬新な企画の恋愛バラエティーを見てみたいものですね。