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不動産の「仲介手数料」の算出法が変わる?(2ページ目)

ソニーが不動産事業に参入し、「仲介手数料の合理化」を掲げました。かかる分だけの手数料を算出する仕組みを導入したものです。今後、仲介手数料は、変わっていくのでしょうか?

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

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ソニー不動産は「かかった分だけ」を算出する合理的な考え方

ソニー不動産もそうですが、新しいビジネスモデルを掲げる不動産会社の多くは、バイヤーズ(買主)エージェント、セラーズ(売主)エージェントというアメリカ型の考え方を取ることが多いようです。買主はできるだけ安く、売主はできるだけ高く売り買いしたいのですから、利害が対立します。どちらかを専門に行う、あるいは社内で担当者を分けるなどで、依頼者の利益を優先しようという体制を取っています。

また、仲介手数料を定額制にするなど独自の体系で算出する不動産会社も出ています。この場合は、法律で定められた仲介手数料の上限額よりは安く設定されることが多いようです。

例えば、ソニー不動産の仲介手数料(売主の場合)を見ると、マンションか一戸建てか土地かの種別、物件の成約価格、エージェントのランク、売却活動期間などで算出され、さらに所要時間などによって割引や追加があるという仕組みです。誰がどの程度時間や手間をかけたかで算出する、という考え方です。

計算は複雑になりますが、エージェントのランクを選んだり、自分で手間をかければ割引になるなどの選択の余地があるので、手数料の額に納得感があるかもしれません。

仲介手数料は安ければ安いほどよい?

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仲介手数料は安いほどよい?

支払う額は抑えたいと思うものですが、仲介手数料は安ければ安いほどよいというわけではありません。仲介する不動産会社は、この仲介手数料が収益源ですから、一定の手数料収入が入らなければビジネスは成り立ちません。

仲介手数料は無料とうたっている不動産会社もありますが、どこからももらっていないわけではありません。賃貸借の場合は、貸主にまとめて仲介手数料を払ってもらうことで、借主の分を無料にしています。売買の場合は、買主からの手数料を無料にしていますが、売主からの手数料は受け取ります。

借主や買主の仲介手数料を無料にすることで、仲介を自社で成立させようという構図です。仲介が成立しないことには、仲介手数料そのものが入ってこないからです。住宅市場が活況でないときには不動産会社間の競争も激しくなりますので、手数料が従来型より減っても成約につなげたいという考え方になるわけです。

消費者から見れば、仲介手数料は相当な額になりますので、安いほどよいということになるでしょうが、仲介手数料が安い分、仲介業務の内容(例えば、買主への住宅ローンの手続きのサポートなど)に違いはないか、別の名目の手数料が必要ではないかなど、業務内容と費用については明確にしておきましょう。

最終的には依頼者自身が、仲介を依頼する不動産会社が希望する業務をきちんと担当してくれるか、信頼して最後までつきあっていけるかといったことを重視して選択する必要があります。


仲介手数料については、仲介手数料の算出方法を変えたり、割引をしたりと、従来のように仲介手数料を上限めいっぱいまで要求しないビジネスモデルが出てきています。今後、仲介手数料そのものの考え方が変わっていくのか、注目したいと思います。
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