女性が体で母親になっていくのに対し、男性は妊娠中からそう簡単に父親としてのスイッチは入りません。
ごめんなさい。いきなり先が思いやられるかもしれません。でも、そういうスキルと知識とスタンスを身に付けることが、結局は自分の幸せを守ることになるのです。
<妊娠初期 2~4カ月>
何をできるか、するかではなく、気持ちにより添う姿勢が大事
ウォーミングアップなんてありません。いきなり激しいアップダウンがある大変な時期からスタートです。妊娠2カ月くらいまで、カノジョの気分はナチュラルハイ状態になっています。いきなり妊娠を告げられた「オレ」としては、いろんな不安がよぎることでしょうが、まずはいっしょになって「やったー!がんばるぞー!」なんて盛り上がっちゃいましょう。
ところが妊娠3月あたりになるとカノジョの気分はドーンと落ち込みます。ホルモンバランスのせいです。さらにつわりがカノジョを襲います。つわりにもいろいろあります。空腹時に吐き気をもよおすタイプ、眠くてしょうがなくなるタイプ、においに過敏に反応し気持ち悪くなるタイプなどです。ここで男性がよくやってしまうのが「オレにはどうしようもないじゃんか!」ってリアクションです。アナタが無力だってことはカノジョだって分かっています。でも、ただ寄り添ってほしいのです。「……寄り添うって、どうすりゃいいの?」って、いい質問です。顔をしかめて「つらいよ~」と言われたら、同じように顔をしかめて「つらいよね~」とオウム返しすればいいのです。「なんとかして~」と言われたら、「代わってあげたいよ~」と返してあげましょう。「今本当に身代わりになったらあの仕事に差し支えるな」なんてことをまじめに考える必要はありません。まずは言葉を発することが大事。そうすれば気持ちはあとから付いてきます。
<妊娠中期 5~7カ月>
一緒にアクティブに過ごして、カノジョの美と健康をキープ
ここまでくれば一安心。しばらくは安定期です。旅行に行くならこの時期がラストチャンス。つわりで食べられなかった分おいしいものを食べ歩くのもいいでしょう。ただし、ただでさえ食欲が増進するこの時期。食べてばかりで運動不足になると「カノジョの体が重量オーバー」なんてことも。この時期妊婦さんも積極的に運動して体重も体力もキープしておかないと、妊娠高血圧症候群のリスクも高まりますし、出産後になかなか体重や体力が戻らないなんてことになりかねません。そうはさせじ。「オレ」がカノジョをアクティブにリードすることが大事です。休みの日にはカノジョと一緒にウォーキングするなど、運動に付き合ってあげるといいですね。特に家にこもりがちなカノジョにとっては気分転換にもなります。きっと一緒には通えませんが、近隣のマタニティスイミングやマタニティヨガ教室を調べてあげるのもいいでしょう。こむら返りやむくみも発生しやすいので、そんなときはマッサージをしてあげれば絆も深まります。カノジョのお腹はぐんぐん大きくなります。胎動も感じられるようになりますから、テンションがアガります。胎児はそろそろ耳が聞こえるようになりますから、妊娠線を防ぐ保湿クリームをお腹に塗ってあげながら、「おーい、パパだよ~」なんて語りかけをしてあげましょう。そうすれば、カノジョも「この人はちゃんとパパしてくれるんだ!」って安心してくれます。
<妊娠後期 8~10カ月>
出産準備品選びも付き合って、子育てへの積極姿勢をアピール
引き続き状態は安定していますが、MAXにまで膨らんだお腹でカノジョの動きはかなり制限されます。「オレ」もいろいろ大変でしょうが、お風呂掃除やトイレ掃除、買い物など、負担の大きな家事は極力代わってあげるように心がけましょう。お腹のせり出しに伴い腰背痛や足の付け根の突っ張りなどのマイナートラブルも多発します。本やインターネットで腰痛対策の運動やマッサージを勉強してカノジョを少しでもリラックスさせてあげるようにしましょう。下手でもいいんです。気持ちを見せることが大事です。カノジョをリラックスさせる意味では、イージーリスニング系の音楽やアロマオイルを買ってきてあげることもおすすめです。
正直言って、全く興味は湧かないでしょうが、出産準備品を買いそろえるのにも付き合わなければなりません。出産後も子育てにしっかり関わる意志を確かるための踏み絵みたいなもんですから(笑)。
10カ月になると臨戦態勢です。いつ生まれるか分かりませんから、飲み会参加はほどほどにして、いつでも連絡が取れるようにしておきましょう。産気づいたとき、どこに連絡してどんなサポートをすればいいかも、予行練習しておくと安心です。
もし里帰り出産をするのであれば、そろそろ独身生活が始まります。ここぞとばかりに羽目を外すのではなく、料理の一つでも覚えて、出産後戻ってきたカノジョを驚かせてあげましょう。
>>いよいよ出産!立ち会い出産が撮影出産や観察出産にならないように