趾骨(しこつ)骨折とは
足趾(そくし)には趾骨と中足骨があります。趾骨に直接ないし介達で外力が働くと趾骨骨折となります。趾骨は足のゆびの骨です。
趾骨骨折が多い年齢・性差
物を落とす、固い物を蹴るなどの日常生活の中、運動中、事故などに伴い発生する骨折ですので、あらゆる年齢層に発生します。一般の人にも発生しますし、スポーツ選手などでもみられます。骨粗鬆症を発症した女性に多い骨折ですが、男性にも発生します。趾骨骨折の症状
骨折部位の腫脹、疼痛、隣接する関節の可動域の低下などがみられます。趾(あしゆび)の形が変形することもあります。骨折した部位に加重ができませんので歩行がやや困難となりますが、踵(かかと)の加重でなんとか歩行可能な場合がほとんどです。趾骨骨折の診断
■単純X線単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明を受けられるので、整形外科では必ず施行します。
単純X線像。趾骨に骨折がみられます。
単純X線像。趾骨に骨折がみられます。
趾骨骨折の治療法
●保存的治療大部分の中足骨骨折の治療では、保存療法といってギプス固定などで治癒することが可能です。アルミの板を使用した固定、ギプス固定を3週間程度行います。日常生活の制限はあまりありません。
■鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAIDと省略されます)を用います。
- ボルタレン……1錠15.3円で1日3回食後に服用。副作用は胃部不快感、浮腫、発疹、ショック、消化管潰瘍、再生不良性貧血、皮膚粘膜 眼症候群、急性 腎不全、ネフローゼ、重症喘息発作(アスピリン喘息)、間質性肺炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、無菌性髄膜炎、肝障害、ライ症候群など重症な脳障害、横紋 筋融解症、脳血管障害胃炎。
- ロキソニン……1錠22.3円で1日3回食後に服用。副作用はボルタレンと同様です。
どちらの薬でも胃潰瘍を合併することがありますので、胃薬、抗潰瘍薬などと一緒に処方されます。
●手術治療
大部分の趾骨骨折は手術を必要としません。しかしながら変形が強く見た目に目立つ場合、手術を施行した方がよいこともあります。
通常局所麻酔下に、鋼線固定を行います。
鋼線固定という簡単な手術を施行します。
3週間程度で、鋼線除去を外来で行います。