過信しないで! お茶でムセるお年寄り

とろみの固さ例

お年寄りの喉は、さらさらした飲み物は飲み込みづらいのです。一人ひとりの体調に合わせたとろみをつけて、上手にお茶を飲んでいただきましょう。

「おばあちゃん、お茶にしましょう」日常によくあるほほえましい1コマです。しかし、お年寄りにとってはこんな何気ない日常の動作に危険が潜んでいます。意外にも、「お茶」などのさらさらした飲み物は飲み込みづらく、ムセやすいのです。

その理由は「高齢者は食べるのも命がけ…誤嚥性肺炎の原因と対処法」と食事の関係でご説明したように、飲み込む動作は「反射」で起こるため、意識することができません。しかしお年寄りの場合、この「反射」が起こるスピードが遅く、お茶などのさらさらした飲み物が通過する早いスピードについていくことができないのです。そのため気管のほうへ飲み物が入っていってしまい、ムセるのです。これを防ぐためには、飲み物が喉を通過するスピードを遅くするという方法があります。

そのためには飲み物に「とろみ」をつけることが有効です。

「とろみ」って何?

「とろみ」はひと言で言うならば、中華料理によくある「あんかけ」の「あん」のような少しとろとろとした形状のことです。中華料理のあんかけは、ご存知のとおり片栗粉等のでんぷんを使っています。作り方はさまざまなレシピをご覧いただくと分かるように、加熱調理の最後に水溶き片栗粉を回し入れて作ります。ここで覚えておいていただきたいことは、でんぷんを使った場合、加熱処理をしなければ、「とろみ」がつきません。

一方で、実際の日常生活を考えてみてください。急須で入れたお茶を鍋に移して加熱して、水溶き片栗粉を回しいれるということはあまり現実的ではありません。特に日本茶は少し低い温度で入れ、香りを楽しむものですから、できれば再加熱したくないのが人情です。

そこで、加熱しなくてもとろみをつけることができないかと、試行錯誤した結果、登場したのが今回ご紹介する「とろみ剤」です。

「とろみ剤」とは?

「とろみ剤」とは、主に植物からとれる粘り気のある素材で、果実からとれるペクチン、豆から取れるグアーガム、リーカストビーンガム、海藻からとれるカラギーナンなどがあります。これらはもともと食品から抽出している成分なので、食品としての安全性が認められているものです。

「とろみ剤」はさまざまなメーカーから多くの商品が出ています。種類は少ないですが、最近では街の薬局等でも見かけるようになりました。各社の商品も以前とは違い、性能がよくなっていますので、飲料の違いに関係なく同量で同じ強さのとろみがつく商品がほとんどです。いろいろ試してみて、好みのものを選んでいただければよいと思います。

ただし、どのとろみ剤を選んでも、つけ方のポイントは共通しています。次ページに紹介する2つのポイントを守らなければ、とろみ剤を使う意味がありません。