カトリック系の看護大学
聖マリア学院大学は福岡県久留米市にあるカトリック系の看護大学です。最寄り駅は西鉄天神大牟田線の試験場前駅で、徒歩7分ほどの距離にあります。すぐ近くに同じ聖マリアグループの基幹病院、聖マリア病院があるので、看護実習のほとんどはここを利用する形になっています。保健師教育は選択制を採用し、看護学科の定員は100人のうち保健師コースに進むことができるのは18人です。これは福岡県の学校の項でも紹介しているように、県内にある保健師教育を行っている大学が加盟している福岡県公衆衛生看護学実習連絡協議会による取り決めで決まったもので、実習先もこの協議会を通して県内の各施設に振り分けられるようになっています。
選考基準は保健師活動への理解や人間愛も考慮
2012年入学生が3年生に進級した今年、保健師コースへの最初の選考が行われました。基準は2年生までの成績が根底にありますが、それだけではなく、志望動機を書かせ、面接も行い「どれだけ保健師活動に興味・関心を持っているのか」も重視したといいます。ちょっと漠然とした基準に思うかもしれませんが、保健師教育を担当する小路ますみ教授は「私たちは人間に愛を感じて、大事にできる人を見極めようとします。つまり、その人の生き様とでもいいましょうか『あなたは誰に支えられ、影響されて、今を生きているのか』を問うこともあります。保健師というのは人間愛がなければできない仕事ですからね」
と選考の背景を語ってくれました。
そこに愛があります
保健師実習の特長は、みんなで話し合いながら方向性を作りあげる能力の育成を重視していることです。また、産業看護実習も大事にしており、県内大手の企業とよい関係を築き、学生が前向きに取り組むことができる実習になるように配慮もしています。大学そのものの特長としては、チューター制を採用することで教員と学生の個別の関わりを充実させていることです。これはどの先生方も話していたことで「学校全体が学生に対して愛をもっています」と明言していたのも印象的ですし、
「ひとことでいうなら、学長、教員、事務、学生がファミリーなのです。みんなの距離が近く、温かい。これはもう誇れることですよ!」(小路教授)
との力強い言葉もありました。
ほかにも、看護の単科大学ながらサークル活動も盛んで、他大学との交流やボランティア活動も盛ん。さらに、カトリック系のつながりが世界中にあるため、希望者には海外研修も準備されています。
ちなみに、保健師を養成する学校としては県内で2番目に古い歴史(1984年から)を持ち、県内のあらゆるところに先輩がいるのも、この大学の強みでしょう。
先生からのメッセージ
地域看護領域の先生は6名体制で、取材時にお話が聞けた方々は小路教授のほか、3名の先生たちでした。最後にそのメッセージもお伝えしておきましょう。左から石田有紀助手、鮎川春美講師、小路ますみ教授、堤千代准教授
「私は県の保健所で30年ほど活動してきました。その経験から、住民に寄り添いながら共に地域の資源を開発し地域づくりを行う保健師活動は、自分自身にとっても、人間としての幅を広げることのできる『人生の宝』を得ることのできる職業だと思います。とくに本学はカトリックなので、相手に寄り添う基本姿勢が学びやすい環境にあると感じています」(鮎川講師)
「学生の皆さんとは実習で関わることが多いのですが、できる限りその土地に馴染めるよう、精神面と体力面でのサポートをしつつ、一緒に何かを体験し感動することを心がけています」(石田助手)
(大学データ)
聖マリア学院大学看護学部看護学科第4領域地域看護学分野:小路ますみ教授/堤千代准教授/鮎川春美講師/渋江暁春助手/石田有紀助手/野上裕子助手
学科定員:100人
保健師コース定員:18人
保健師コース選考時期:3年進級前