この純粋無垢な姿を目の当たりにした前田さんは、「この子たちは自分が設計する家で、どのように記憶を育み成長するのだろう」と思い続けるようになり、その結果この家のテーマを「子供の家」としたのです。
斜めの亀裂が走る白いキューブ
1. 北側の正面。ガレージは銀杏の街路樹が続く通りに面している。写真:Ryogo Utatsu / Neoplus Sixten |
2. 北西側の眺め。玄関は隣地との隙間の奥にある。写真:Ryogo Utatsu / Neoplus Sixten |
3. 南西側の眺め。3階の背後にテラスが張り出す。 |
この家は全体が大きな白いキューブのように形になっていて、その真ん中に亀裂のようにガラス窓が斜めに走っています。1階は道路に面してガレージ、その隣にハイサイドライトのある子供室とファミリールームで占められています。
隣の駐車場とガレージの間のアプローチを奥へ進むと、壁から張り出した小ぶりの鉄板の庇の下に玄関ドアが現れます。ポーチを2段上がってドアを開けると、そこには思いがけない空間が待っていました。
◆建築データと建築家プロフィール