3.学校のお友達が通っていないかどうかの確認を
意外な盲点となるのが、学校のお友達の存在です。実は、学校でどこの塾に通っているか、どこのクラスに所属しているかといったことから、いじめなどに発展するケースが少なくないのです。同じ学校に同じ塾に通っている生徒がいる場合、クラス変更などでクラス落ちしてしまったりすると、お子様が学校などで馬鹿にされたりからかわれたりして、不必要なストレスを被ることがあります。もちろん、そんなこと気にしなければよいと大人は思いますが、子どもにとってはこれが結構大きなストレスになるものなのです。
また学校のお友達がたくさん通っていることで、授業が騒がしくなってしまうということはよくあることです。最近では塾内での学級崩壊も珍しいことではありません。そういうリスクを避けるという意味でも、同じ学校の生徒が少ない塾を選ぶのが良いと思います。
私立中学に通うようになれば、電車に乗って通学することも想定されますので、ひとつ・ふたつくらいなら電車に乗って通塾するのも悪くないでしょう。通塾可能範囲を広げて、よりよい塾を探してみるのもいいかもしれません。
4.年間の費用を確認しましょう
「子供の教育にお金の話題なんて」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かにちょっと野暮な話ですよね。しかし、塾通いに年間いくらかかるのかは必ず計算しておくべきだと思いますので、敢えて話題に挙げました。実は塾の費用というのはちょっと不透明で、全貌が見えにくいところがあるのです。一見、毎月のお月謝はお安いように見えて、「オプション講座だ」「合宿だ」となんやかんや費用がかさむケースが多くあるのです。夏期講習や冬期講習といった季節講習などもあり、年間の費用にすると200万円を超えるところも珍しくありません。費用については授業料の他に教材費やテスト費はいくらかかるのか、講習にはどのくらいかかるのか、オプション講座や週テストについては、必須なのか選択できるのか、そういったことも入塾時にきちんと確認されることをお勧めします。
これは「お高い塾はよくない塾」ということではありません。費用対効果をきちんと考えて、入塾させるに足る塾なのかを、冷静にご判断いただくことが肝要かと思います。
5.塾の合格実績には惑わされない
最後に合格実績のことにも触れておきたいと思います。最初にも述べたように、中学受験を始めるきっかけは、お子様を通わせたい私立や国公立の中学があるからであり、志望校合格が塾通いの第一目標となることは明白です。ですから合格実績を気にされるのは当然のことと思います。一方、ある塾の御三家の合格実績が素晴らしいからといって、ご自分のお子様も同じように、そこの塾に入れば御三家中に合格させてもらえる、と誤解されている方が非常に多いのも事実です。合格実績がとても素晴らしいことがすなわち、その塾に入塾すれば必ず希望の学校に合格できるということにつながるわけではありません。合格実績の読み解き方として特に気を付けねばならない点は、まさにここなのです。
かといって、全く実績が出ていないというのも少し頼りないですよね。最近では大手塾であっても、校舎ごとの合格実績を出しているところも多くなってきました。まずは通う予定の校舎の合格実績がどうなのか、担当の先生は変わっていないかをしっかりとリサーチされるのがよいでしょう。
そして自分の志望校についてのノウハウを持っているかどうかのチェックも、忘れずにおこなってください。たとえば「○○中学の国語は記述が多いですか?」と塾の先生に尋ねれば、その先生がきちんと入試の特徴を把握しているかどうか、簡単に判断することができます。塾の先生の中には、情報不足だったり、持っている情報が古いものであるという人も、少なからず存在するものです。
中学受験において第一志望に合格できるのは、現実には6人に1人という試算もあるくらいです。また1校も合格できずに中学受験を終える子供も少なくありません。そのくらい中学受験は厳しい世界なのです。情報を正しく使い、お子さんに合った塾選びをして、「中学受験をしてよかった」と思えるような結末を迎えられるよう、塾選びはしっかりとおこなってくださいね。