狙い目は地政学的リスクに負けない銘柄!
世界的な景気回復が期待できるいまは、日本はもちろん外国の株式にも投資をはじめるチャンスと言えそうです。とはいえ、ウクライナやパレスチナ、イラク情勢のような地政学的リスクが高まった場合、投資家のリスク回避志向が高まり、株式市場から資金が流出して株価が下落するリスクもあります。そこで「地政学リスクに負けない」銘柄として戸松さんが注目するのが、香港証券取引所に上場する港燈電力(2638)と香港電訊合訂証券(06823)です。
「この2銘柄はステープル証券といい、2つ以上の関連する証券を1つに合体して売買する証券です。投資家は委託者に資金を預け、委託者が電力や水道、鉄道などのインフラ設備を所有、運用し、その利益の100%を受益者(投資家)に還元します。なお、構成要素となるそれぞれの証券を個別に売買することはできません」(戸松信博さん)
このうち港燈電力は、財産信託の形で公益事業からのインカムゲイン獲得をめざし、事業母体の発行する配当なしの優先権と、信託財産を管理するマネジメント会社が保有する普通株式をセットにしています。一方、香港電訊合訂証券は、香港の固定電話やデータ通信、ブロードバンド、国際電話、モバイル通信などの事業を行っています。
「港燈電力と香港電訊合訂証券のどちらも、公益性の高い事業から得られる手堅いキャッシュフローが配当の原資になっています。そのため、地政学的リスクが高まり、株式市場全体が大きく下げたような場合でも、安定的かつ高い水準のインカムゲインを得ることが期待できます。加えて、円安が進んだ場合には、為替差益を得ることから、安心して長期保有できる銘柄だと言えそうです」
なお、港燈電力は事業自体が成熟しており、安定した事業継続が期待できるものの、成長性は高くありません。一方、香港電訊合訂証券は、モバイル通信事業の将来性や、大型企業の買収などにより、安定性だけでなく、さらなる成長も見込めそうです。
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