米国の金利が上がらなければ日経平均株価も上がらない!?
まずは下の図を見てください。日本の日経平均株価と米国のNYダウ工業30種、ドイツのDAX指数を、それぞれ2009年1月5日を100として指数化し、値動きを表したものです。NYダウとDAX指数は、途中で下落する場面はあったものの、右肩上がりの上昇を続け、ほぼ2倍になっています。これに対して日経平均株価は、昨年大きく上昇したものの、今年は方向感のない展開が続いています。しかも、下の表でもわかるように、今年年初からの騰落率はマイナス5.17%と冴えません。世界景気が回復に向かい、株価も上昇傾向にあるなかにあって、なぜか日本株は上昇の波に乗り切れていないのです。
「その最大の理由は、米国債が買われ、米国の金利が低下していることにあります」
戸松さんはこう解説します。いったい、どういうことなのでしょうか。
「そもそも日本株は、景気が良くなると株価が上昇する景気敏感株の集合体です。世界的にリスク志向の上昇相場になるときに為替は円安に動きます。そして、為替が円安に振れると輸出企業の企業収益にプラスになることから、円安になると株価が上昇します。その証拠に日経平均株価の推移はドル円レートの動きにソックリです」(戸松さん)
2013年は、アベノミクスの第一の矢である異次元金融緩和によって急激な円安が進んだため、日本株も大きく上がりました。
「ただし、為替の変動要因は、ひとつではありません。2国間の金利差と為替レートは高い相関性があります。ここへ来て、米国債が買われ、金利が低下したため、日米の金利差が縮小し、為替相場では世界的にリスク志向の上昇相場となっているにもかかわらず、円安が思うように進みませんでした」
その結果、日本株は軟調な動きとなっているのです。
次のページでは米国債が買われた理由を解説します!