真夏の暑さでも快適な通勤が可能
スーパースポーツに近いエンジン特性ですが、ビックリするぐらい、エンジンの熱を感じません。ふくらはぎ付近に少し熱を感じることはあるのですが、この時期にスーパースポーツに乗っていると、ある意味修行に近い感覚になります。ジーンズで走っていると、エンジンの熱で低温やけどする可能性すらあります。しかし30度を超えるこの時期に1時間近く都内の渋滞する道を車の流れにあわせて走っても驚くほどエンジンの熱が伝わってきませんでした。これには正直驚きました。冷却水の経路を見直し、従来から変更したという冷却システムはとても優れています。
またシートの高さは810mmなのですが、従来の水冷4気筒エンジンよりも遥かにコンパクトなエンジンが車体前方に配置されている為、シートの幅が狭く、高めのシート高のわりに足つきは良いほうだと思います。
シート直下に配置されたモノショックは、若干硬めで町乗りでは少し硬さを感じるかもしれませんが、アップに配置されたハンドルと低速域でも落ちないトルクがUターンやタイトなコーナーも快適に走ることが出来ました。
ぜひとも更なる熟成を期待したい一台
CB650Fはホンダのラインナップの中では、CB1100とCBR600RRの間の性格と言えます。街中からツーリングまでまったり走りたいというのであれば、CB1100。それもタンク容量の大きいCB1100EXがお勧めです。CBR600RRではスパルタン過ぎるけど、もうちょっと町乗りも意識した車両が欲しいという人には是非ともお勧めしたい1台です。特に前述した冷却性能は実に優れており、季節を問わず快適に乗りたいのであればお勧めです。
先日、広報車の配車担当の方とお話した際にCBR600RR、CBR1000RRは完全に熟成の域に入った1台だとお話されていました。これはまさにその通りだと思います。CBR600RRは2003年2月に発売され、CBR1000RRは2004年4月に発売されました。現在までにモデルチェンジやマイナーチェンジを繰り返し、ユーザーの声なども取り入れられ現在の形に落ち着きました。
CB650Fは現在の状態でも素晴らしい形に仕上がっています。大排気量のバイク初心者でもある程度乗れてしまうニュートラルさはあると思います。お借りしていた一週間の通勤は実に楽しく、慣れてしまえば、前述した気になる点は乗り方でいかようにもすることが出来ます。
ですが、まだ出たばかりの車両だからこそ、前述したとおり気になる点はあります。排気量は違いますが、同社の原付2種カテゴリの車両PCXがマイナーチェンジ、モデルチェンジを繰り返し、PCXらしさを保ちながら熟成されていったように、CB650Fが熟成された姿に期待します。
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