通信制の登校日は全日制の約1/9
登校負担が軽いために自由な時間のできる通信制高校
全日制高校では、平日の午前8時半から午後4時頃まで6時限の授業を時間割に合わせて学習すればいいので効率的ですが、1週間の時間割はそれで一杯になり自由になる時間といえば放課後の2時間程度しかありません。
一方、通信制高校の場合は単位制という仕組みにより各科目の登校回数(スクーリング)とレポートの回数が高校学習指導要領で決められています。
スクーリングとは、通信制高校を卒業するために必要な登校日のことで年間20日間ぐらいあります。全日制の登校日は年間175日間となっているため、通信制は全日制に比べて登校日数という面では約150日間も時間の余裕が生まれます。また、レポートというのは、先生から出された課題に応えて書類などにまとめ締め切り日までに提出するもので、年間60通程度になります(25単位程度履修の場合)。
例えば国語や数学など座学中心の4単位科目ならスクーリング年間4回、レポート12通というように決められています。全日制の場合でいうと、4単位科目とは1週間のうちに4回の授業がある科目です。授業回数だけを比べるとずいぶんとちがうと思われるのではないでしょうか。
通信制では、さらにNHKテレビ・ラジオの高校講座、各校で制作しているインターネット授業などによりスクーリング回数を60%から80%軽減することもできます。放送視聴と呼んでいますが、最近ではこれらの配信がPC、スマホ、タブレットにまで広がり、いつでも、どこでも視聴できるようになってきたため時間や場所の制約はさらに少なくなってきています。
自由な時間を使ってやりたいことを実現
このように、通信制高校は自由な時間がたくさんできる学校です。通信制高校に在籍している生徒のなかには、この自由な時間を使って、芸能活動やスポーツに打ち込んだり、アルバイトをしたりする人がいます。中学生までは、時間の制約があって、なかなか思うようにならなかったやりたいことにとことん取り組むことができるのです。
この通信制の自由な時間を活用してやりたいことを実現できるようにしているのが主に私立通信制高校に設けられている専門コースです。その延長線上に、芸能、スポーツなどのプロ活動で活躍している高校生がいます。
次ページでは、通信制高校にはどんな専門コースがあるのか説明します。