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破格の使いやすさを誇る OLYMPUS『STYLUS 1』

STYLUS 1は、光学10.7倍の全域F2.8の明るいレンズを搭載し、チルト液晶や大型で解像度の高いEVFなど、機能面でも優れています。すでに発売から半年以上経過しており、価格もこなれてまさに狙い時です。しかも、ほぼライバル機がないと言う独壇場。ちょっと良いカメラが欲しい人にはオススメですよ。

岡安 学

執筆者:岡安 学

デジタルカメラガイド

オールラウンダー「STYLUS 1」

昨今の高級コンデジブームの中でも、バツグンの使いやすさと太鼓判を押したい一台が、「STYLUS 1」です。高級コンデジと言うと、画質重視になりがちですが、画質がアップする反面、価格が高くなり、光学ズーム倍率もそこそこに抑えられてしまいがちです。STYLUS 1はその点、画質にそこまで特化していませんが、スタンダードコンデジの使いやすさをそのままに、全体的にブラッシュアップされている感じです。

まず、STYLUS 1のどういった点が魅力的なのかを、ずらっと挙げてみたいと思います。
  • 通常のコンデジよりも大きな撮像素子を搭載。
  • 高級コンデジにはほぼ見られない光学10倍超え
  • 光学10倍超えで全域F2.8の明るいレンズ
  • 同社の高級ミラーレスのOM-Dと同じ高性能EVFを搭載
  • オートからマニュアル撮影まで自在に対応
  • 高級コンデジの中では破格の小型軽量
  • 豊富なアートフィルターとシーンモード
  • これだけの機能を搭載していながらも、サイズはコンパクト
などなど……とにかく汎用性の高いオールラウンダーなカメラなのです。

ズーム

ポケットに入れられるほど小さくはないですが、常時鞄に忍ばせておいても邪魔にならない程度のサイズ感です。

 

F2.8のレンズは恩恵が豊富

そもそもF2.8のレンズのどこが良いかと言うと、レンズが明るいので暗い場所でも高めのシャッター速度で撮れる点です。ワイド端だけで考えるとF2.0などのもっと明るいレンズがあるので、それには及ばないのですが、そういったカメラも10倍以上の望遠になってしまうとF4.0を超えるような暗めのレンズになってしまいます。夜景を撮影していて、ズームになると急に手ブレが増えてしまうのはこのせいなのです。ワイドからズームまで同じ感覚で撮影できるのが素晴らしいです。

明るいレンズは暗い場所だけでなく、背景をぼかすのにも恩恵が得られます。コンデジながらデジイチのようなボケ感のある写真が撮れるのもこのレンズのおかげでしょう。

比較画像

背景をぼかさずに撮影。全体にピントが合っているパンフォーカスとまでは行かないですが、奥のほうもピントが合っている。


比較画像

同じ構図で背景をぼかして撮影。手前の極楽鳥花のみピントが合っている。コンデジでも簡単操作でボケ感のある写真が撮れる。


比較画像

最大望遠での夜景撮影。周りが真っ暗なでも精細感が高い写真が、ピントの迷いもなくストレスレスで撮れた。

 

液晶とEVFが使いやすさのカギ!

STYLUS 1の使いやすさのひとつとして、EVFとチルト式液晶ディスプレイがあります。コンデジやスマートフォンを使って、晴天の昼間に撮影をして、液晶が見えなくなってしまう経験をした人は多いと思います。EVFは、そんな状況でもしっかりと被写体を見ることができるので、ストレスなく撮れるのです。たまに他のコンデジを使うと、EVFがないのにデジカメに顔を近づけてしまう自分がいたりします。

タッチ操作対応のチルト液晶もかなり便利です。タッチシャッターやタッチフォーカスは何と言っても、ピント合わせの速さが魅力です。あちこち触っても、すぐにピントを合わせてくれるので、人によってはシャッターを押さなくなる人もいるのでは?と思えるくらい快適です。

サブカット

明るい日中ではほとんど液晶ディスプレイが視認できなくなる。EVFの搭載は使ってみると本当にありがたさがわかる。


サブカット

チルト液晶は人垣の上から撮影する時には重宝する。しっかりと被写体を確認しながら、撮影ができる。


比較画像

EVFはサイズが大きく、解像感も高い。情報量も多いので、使いやすい。


オートからマニュアルまで!

オートモードでは、どういった撮影をしたいのか、目的に応じたわかりやすい項目を採用しています。例えば背景をぼかしたい場合や全体的にピントを合わせたい場合など、言葉のイメージ通りに「背景をぼかす」といった項目などが用意されています。絞りを開ける、絞ると言った専門用語ではないので、初心者でもやりたいことがわかるのが便利です。

少し慣れたらPやA、S、Mなどのモードを使ってより細かい設定で撮影することができます。長く使えるカメラなのも嬉しいところです。

オリンパスのカメラと言えば、アートフィルターが外せません。スマートフォンや他社のデジカメでも似たようなことができるので、独自機能とまでは言えませんが、撮影が楽しくなる、写真を撮りたくなる機能ではあるので、いろいろなアートフィルターを使って撮影してみることをオススメします。

サブカット

オートモードでは、「背景をぼかす」など、目的がわかりやすい項目切り替えになっているので初心者も安心。

マクロ撮影にはちょっと弱い!?

いろいろ良いことずくめのSTYLUS1ですが、もちろん物足りない点もあります。その筆頭がマクロの距離。通常撮影だと10cm、スーパーマクロで5cmまでしか近づけない。しかもスーパーマクロはワイド端固定なので、被写体を大きく撮りたい時にはちょっと足りなかったりします。まぁ、これは仕方ないと言えなくもないので、マクロを撮りたい場合は、他のカメラと併用するのが良いでしょう。あと、iAUTOモードではスーパーマクロが使えません。iAUTOメインで使っている人にはスーパーマクロの存在を知らない人もいると思われます。

Wi-Fi機能はスマートフォンへの画像転送が簡単で、STYLUS1で撮った写真をSNSにアップできるので重宝しています。ただ、PCとの連携ができないので、PCへバックアップがSDカード経由やUSBケーブル経由になるのが残念です。

充電も専用アダプターのみでの充電となっています。USBケーブルで本体に直接充電できると、外出先で電池切れになっても、モバイルバッテリーなどから充電できるので、安心度が高まるのですけど。

ファームウェアの更新とかで、今後解消されれば最高ですが、ならなくても後継モデルでは、搭載して欲しいところです。

物足りないと言っても贅沢な部類に入るとは重々承知していますので、そこまで不満に思っているわけではありません。

作例

ミラーレスやデジタル一眼レフの標準レンズでの接写と比較すれば、十分近づけるのだが、コンデジと比較してしまうと、ちょっと物足りない。でも、この程度の接写は撮れる。


作例

料理も近づきすぎない限り、キレイに撮れる。レストランなど暗めなので、ここでも明るいレンズが実力を発揮する。


キャプチャー

Wi-Fiでスマートフォンやタブレットに簡単に写真の転送ができる。転送した画像は加工したり、SNSにアップしたりできる。


作例

Wi-Fiでリモート撮影もできる。スマートフォンの画面がSTYLUS1の液晶ディスプレイ化し、タッチシャッターで撮影可能。もちろん、ズームアップや各種設定の変更もできる。

底値に近い今が買い!

個人的には製品発表会で重宝しています。登壇者のアップなどは、記者席から移動せずにそのままズームして撮ることができますし、製品の撮影も問題なくできます。

発売から半年以上経っているのもある意味追い風です。値段がだいぶ落ち着いてきているので、ほぼ底値に近い状態だと思います。もちろん、価格動向は読めない点が多いので、今後どうなるかはわかりませんが、費用対効果としては十分な金額でしょう。

作例

ドラマチックトーンで撮影。かなり劇的な仕上がりですが、バランスが崩れていない。


作例

リーニュクレールで撮影。FMステーションの表紙でお馴染みの鈴木英人氏のイラストのようなタッチで撮れる。


作例

モノトーンで撮影。強いコントラストで夏をイメージさせる一枚。


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