名店”今半”のルーツは
すき焼き、しゃぶしゃぶと聞いて多くの方が思い浮かべるであろう「今半」はとても有名な老舗ではありますが、実は系譜としては4つもの流れに別れることをご存知な方は少ないのではないでしょうか。先ずは源流となるのが浅草にある「今半本店」です。そしてそこから独立したのが、同じく浅草にある「浅草今半」、更にそこからは2つの流れが誕生します。1つは「人形町今半」、そしてもうひとつが今回ご紹介する「代々木今半」です。「浅草今半」と「代々木今半」の社長は兄弟ではありますが、「代々木今半」は従来のすき焼き、しゃぶしゃぶ店の定番の枠からすこし抜け出た提供をして、お客さんを楽しませてくれます。
老舗から派生したこだわりとセンスのある”しゃぶしゃぶ”
同店でおススメをしたいのは”しゃぶしゃぶ”。特に名物の”タンしゃぶしゃぶ”は、何枚でも食べれてしまう楽しさがあります。自家製の8種類の塩は見事で、レモン、梅、柚子、ニンニク、バジル、チリペッパー、そして、春はサクラなどが用意されており、粒子細かくさらさらのパウダー。しゃぶしゃぶしたタンにたっぷり付けても塩分が強くないので風味を感じながら食べることができる秀逸な塩です。そして、レモンとバジルをミックスなんてことも出来るから、いく通りも楽しめます。今度はどの塩にしようかな、と食べすすむうちにあっという間にタンの方が足りなくなります。そして、添えられているお野菜のトウミョウ、これが風味や食感含めてタンや8種の塩との相性が良くてニクい組み合わせです。そして”和牛ロースのしゃぶしゃぶ”、こちらは肉の種類がスタンダード、霜降り、極上霜降りと3段階あります。牝牛や産地へのこだわりはないようですが、選択としては、脂の刺しが大好きな方は極上霜降りを、弱いかたはスタンダードや霜降りで十分です。頂いてみて、とても共感したのは”ごまダレ”に対するご主人の考え方。しゃぶしゃぶのタレというと、ポン酢とごまダレの二種が定番ですが、ごまダレに関して言うと大概のお店がかなり甘口のため、肉や野菜の風味を消してしまったり、早々に飽きてしまうのが残念でした。しかし、同店ではそこに配慮して、甘みを抑えた仕上がりになっているため、最後まで飽きずに美味しく頂けます。
ご主人とお話していると、こだわりや熱心さ、何よりも自身が楽しみながらお客さんに提供したいという様子がよく伝わり、ご主人のキャラクターも同店の魅力に加わっているように思います。因みに、同店の前には浅草でラーメン店も出店していたそう。「代々木 今半」、個室はなくとても気軽に利用できる雰囲気のテーブル席で、やや敷居が高く縁遠いイメージのある”すき焼き、しゃぶしゃぶ”を身近に感じさせてくれるお店です。
■代々木 今半
・住所:東京都渋谷区代々木1-45-4 山陽ビル B1F
・TEL:03-3370-8565
・営業時間:
月~土 17:30~21:30
日・祝 17:30~21:00
・定休日:無休
・地図:Yahoo!地図情報
*支払いは現金のみの取り扱いのため、ご注意下さい。