アート・美術展/アートの楽しみ方入門

展覧会のつくりかた~兵庫県立美術館の場合(2ページ目)

美術館やギャラリーで開かれている「展覧会」。美術業界で当たり前のデキゴトですが、その内容はどうやって決めるのでしょう?会場はどうやってつくっていくのでしょう?

藤田 千彩

執筆者:藤田 千彩

アートガイド

展覧会オープン前日に潜入!

改めて取材に伺ったのは、横山裕一展「これがそれだがふれてみよ」のオープン前日。作品設置はほとんど済んでいましたが、私はこんなシーンを見てしまいました。

キャプションの位置を決めます

キャプションの位置を決めます


そうです、作品のキャプション(タイトルなどが書いてあるボード)を貼っていました。美術館はいろんな人たちが来る場所なので、キャプションの位置は重要な問題。今回は車椅子のお客様のことも考えて、いつもより少し低めの設定です。

さらに!

照明を当てる学芸員の小林さん

照明を当てる学芸員の小林さん


作品をきれいに見せるために、照明は欠かせません。学芸員の小林さん自ら脚立に昇り、照明の角度を変えながら、光の具合を見極めます。

そして!!
アーティストの横山裕一さんと作品の位置を変えます

アーティストの横山裕一さんと作品の位置を変えます


横山さんの作品の中にも登場する、美術館所蔵の彫刻作品の位置を予定より変更!「これでいいですか」「もう少し右で」という言葉が飛び交っていました。

もちろん!!!

視覚障がいのある方たち向けに、点字の配布資料も用意してあります。担当学芸員の小林さんによると、毎回この「美術の中のかたち-手で見る造形」プログラムでは、外部のボランティア団体の方に依頼して用意するそうです。

点字の配布資料(右)と原稿(左)

点字の配布資料(右)と原稿(左)


 
こうして出来上がった展覧会は・・・もちろん行ってみてからのお楽しみ。視覚障がいのある方向けには、点字のガイドも配布しています。学芸員の小林さんのアイデアで、今回の展示作品をモチーフにしたグッズ販売もしています。

本展オリジナル缶バッジは13種類!

本展オリジナル缶バッジは13種類!



【展覧会情報】

小企画:美術の中のかたち-手で見る造形 横山裕一展「これがそれだがふれてみよ」

兵庫県立美術館

開催中~2014年11月9日(日)
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