毎日370円も、チリツモで1000万円に育つ!?
節約を資産形成につなげるためのテクニックとして紹介したいのが「ラテ・マネー」の考え方です。これはアメリカの有名なFPであるデヴィッド・バックが紹介しているもので、「毎日カフェラテ1杯程度の節約が、老後に困らないだけの財産形成につながる」というものです。例えば、毎日370円程度の節約をすると仮定します(370円はスタバのトールサイズのカフェラテの値段です。節約対象はタバコ1箱でもケーキでも雑誌でもかまいません)。
1日370円の節約というのはおおむね1カ月1万円強の貯金に相当します。これを新入社員の頃からコツコツ積み立てていったと仮定します。仮に38年間毎日370円節約をし、積み立て続けたとすると、一生涯に節約したラテ・マネーは510万円にもなります。
仮にこのラテ・マネーに年3%の利息がついたとすれば957万円が定年退職時にあなたの手元にある計算です。なんと、毎日1杯のカフェラテ程度の節約を根気よく続けることで、老後の財産がひとつ作れるというわけです。
これは、日本的に言い換えれば「チリツモ(塵も積もれば山となる)」なお金の貯めかたでしょうか。
節約は、節約そのものだけで取り組むと苦しく辛いものになりがちです。しかし、毎日毎日のチリツモ節約が、将来の自分の老後の安心をもたらす財産に育つと考えてみてください。目的がはっきりすれば、節約もずいぶん取り組む意欲が高まってくるのではないでしょうか。
「毎日の節約、毎月の節約が老後につながる」――そんな話をしてみました。
信じて実行した人には確実に老後の余裕が生まれるでしょうし、実行しなかった人には確実に老後の資金不足が発生することでしょう。
老後のことを、実現可能な具体的な形に変えて、ぜひ実行に移してみてください。