沖縄のタワーマンションの50%が首都圏を中心とした県外からの購入
地上30階建て、沖縄の副都心で好調な売れ行きのツインタワー「リュークスタワー」
先ほどの供給データで見るように、沖縄県全体で年間1000戸に満たない供給が続いていたわけですから、この盛況ぶりを、首都圏の根強い需要が影響していると分析しています。というのも地元での購入が約5割、あとは県外からの購入者です。「震災の影響で、東京以外の住まいを持ってもいいのではと考える人が増えているのでしょう」と堀さん。
タワー物件は那覇新都心のおもろまちに建設中で、まわりは大型ショッピングセンター、公共施設、美術館などがあり、再開発で整備された新しい街です。空港からゆいレールを使って車を持たなくても利用できます。沖縄のリゾートというと海をイメージしがちですが、そこでは生活が不便。「沖縄にいて都心と同じ感覚で暮らせるのがこの物件が好調の理由でしょう」と言います。東京以外の家=安心、安全に暮らせる大規模マンションにつながるようです。購入者は40代~50代前半の現役アクティブシニアが多いとのこと。価格は坪単価172万円くらいです。
根強い人気の北海道。札幌は供給数が増加の傾向
札幌駅最寄りの高層タワーマンション「プレミスト札幌ターミナルタワー」の外観(写真提供・大和ハウス工業)
「老後に住みたい都道府県」で沖縄には1歩譲っているものの、北海道はシニア男性たちからは根強い人気があります。
大和ハウス工業が販売しているのは札幌駅徒歩5分の「プレミスト札幌ターミナルタワー」。総戸数235戸地上38階建てのタワーマンションですが、この物件もすでに228戸が契約済みと好調です。
その理由を、「札幌での供給が激減していたことが影響しています」と堀さんは分析。先ほどのデータが示すように、リーマンショック前には年間4000戸近く販売されていたものが、2009年以降は年間1500戸前後しか供給されていません。そのため2013年には完成在庫がほとんどない状態になっていたといいます。
北海道のなかでも札幌は唯一、人口が増加している街。食べ物はおいしいし、転勤族も多く、一度住んだ人は永住したくなる要素も多いようで、需要はあるのです。新築の在庫がないので、言葉は悪いですが「出したら売れる!」状態ともいえます。建築費が上がったので、昨年の秋から物件価格も上昇ぎみ。不動産経済研究所のデータでは2013年の平均坪単価は約128万円ですが、2014年にはさらに上がっていると推測されます。ちなみに「プレミスト札幌ターミナルタワー」は坪単価158万円くらいとのことです。
沖縄と札幌、どちらも好調なタワーマンション。あなたはどちらにしますか?