背景の見せ方で絞り値を選ぶ
それでは、F値を変えて撮影した写真のボケ具合を比較してみます。上の写真の絞り値はこのレンズの開放値をF3.5に設定、そして下の写真はF16で撮影したものです。上の二枚の写真を比較して見てもらうとはっきりと背景のボケ具合の差が見てわかります。
F3.5で撮影した写真は、奥にいくに従いボケ具合が増しています。ピントの合う幅が狭いために奥にいくに従いボケが大きくなっているというわけです。
反対のF16で撮影した写真は、背景にもピントが合うようになりかなりはっきり見えてきています。ピントの合う幅が広がったために背景にもピントが合うようになりました。
このように絞り優先モードを使うことで簡単に背景のピントの合う幅に意図して変えて撮影が出来ます。背景のボケをコントロールすることで写真の雰囲気も大きく変化させられます。
品物などを撮る場合、カタログに載せるような見本として撮影するのであれば被写体全体にピントが合った写真が好まれます。このようなときにはF値を絞りこみ撮影します。用途に応じて絞り値を選択して撮影できるのが絞り優先モードの特徴です。
スローな写真撮影講座は、今回でひとまず締めとさせていただきます。次回からは新たなテーマでの基礎写真講座をお届けします。そちらもお楽しみにどうぞ。