ドラッグスター400は日本の道・日本人向けバイク
先日、こちらの記事でドラッグスター250を紹介した際にも触れましたが、日本のアメリカンと言えば、ドラッグスター。そのドラッグスターの中でも最も流通台数が多いのがドラッグスター400です。
2017年4月4日現在、某大手中古バイク情報サイトを見てみるとドラッグスター400の中古車両は898台出品されており、派生車両のドラッグスター400クラシックが654台出品されています。
また、ドラッグスターだけの情報誌も様々な出版社から発行されておりドラッグスター乗りが集まるミーティングなども各地で行われています。
これだけの人気を誇りながらも2008年には排ガス規制の問題で一旦生産終了となりましたが、2009年には排ガス規制をクリアしたドラッグスター400が再販されました。
アメリカンバイクというと名前の通りアメリカのモーターサイクルメーカーであるハーレーダビッドソンを思い浮かべる方が多いのではないかと思います。
アメリカンバイクはアメリカの広大な台地を走るために設計されており具体的には信号やコーナーが少なく起伏の少ない直線を走行する車両です。
そのためハーレーダビッドソンを運転すると思いのほかコーナーは曲がりにくかったり起伏の多い道を走行するとサスペンションの突き上げがきつく腰が痛くなってしまったりします。
元祖アメリカンバイクがハーレーダビッドソンだからと言って、ドラッグスターシリーズをハーレーダビッドソンの模倣品と言い切ってしまうのはナンセンス。
日本人は真似をし学ぶことが出来る民族です。アメリカンバイクの構造・デザインをハーレーダビッドソンから学び日本の道を日本人が長距離走るために作られたアメリカンバイクがドラッグスターシリーズなのです。
前置きが長くなりましたが、燃料の噴射装置がインジェクション化されマフラーの中に三次元触媒を配置。排ガス規制をクリアしたドラッグスター400を一週間しっかりと通勤で使用してインプレッションをお届けいたします。
<目次>
ドラッグスター400のエンジン特性は乗り手に優しい
ドラッグスター400はドラッグスター250と比べると、アメリカンバイクの特徴が強い1台です。ドラッグスター250はエンジンが高回転まで周り、急かされるように加速するエンジンの特性はアメリカンバイクの特徴とは違います。
それに対してドラッグスター400のエンジンはゆったりと回転が上がり加速していきます。当然排気量の違いもあり、最高速はドラッグスター400の方がでますがドラッグスター250のような加速感はありません。
アメリカンバイクはスポーツバイクではありませんから、ガンガンエンジンを回して走るというよりは、高いギアを使い低回転で長距離を走るのに適したバイクと言えます。
ドラッグスター250は操るのが楽しいバイクですが、長距離を走るとなると、エンジンは高い回転数で走るので振動が多く疲れてしまいます。しかしドラッグスター400は80km/h~100km/hで高速道路で巡航してみると振動もほとんどなくシートも大きいので疲れにくい印象です。
ドラッグスター400の足回りは日本の道路走行に最適なセッティング
あたり前のことですが日本人とアメリカ人では体格が違います。そのため、アメリカのモーターサイクルと日本のモーターサイクルは乗る人の体重の前提条件が違いますし、当然道路事情も日本とアメリカでは異なります。
前提条件が違えば、完成するバイクも当然異なります。ドラッグスター400はリジット【サスペンションが無い状態】に見えるものの、ショック式スイングアームを採用しており道路の起伏などできちんとストロークし、コーナーでもダンパーが働きリアタイヤを地面に押し付けます。
前後サスペンションの動きは日本の道路を走るために最適なセッティングが施されているといえます。
また、日本の教習所ではフロントブレーキをメインに使いリアブレーキは補助的に使うように教わりますがハーレーに乗るとリアブレーキはよく効きますがフロントブレーキは想像以上に効かず驚くことがあります。
ドラッグスター400はそんなことはありません。フロントブレーキはきちんと効き、制動力に不満は感じませんでした。
女性にこそ250ccではなくドラッグスター400ccをお勧めしたい
ドラッグスター250はダイレクトな加速フィールが楽しめる1台として、車重も軽く、足つきも良いため女性向けの1台として紹介されることが多いのですが、個人的には女性にこそドラッグスター400をおすすめしたいです。
250ccと400ccの違いがありますので車検の有無や維持費の問題に関わってきますが、アクセルを開ければダイレクトな加速を見せるドラッグスター250と違いドラッグスター400はどの回転域からアクセルを開けてもマイルドに加速します。
車体が大きくなるので車重は重くなりますが重心が低いために取りまわしも軽く感じます。シート高も低いのでまたがった状態で後ろに下がるのも苦になりません。
ドラッグスター250は積極的にハンドリングしている時には気が付きませんが、極低速時には若干ハンドルを取られるような間隔があります。しかしドラッグスター400にはそれがありません。
加速・減速・ハンドリング、バイクの操作全てにおいて、マイルドに反応するドラッグスター400は長距離のツーリング用途の方には文句なしにおすすめでき、ご年配の方や女性ライダーにもおすすめできる1台です。
ドラッグスター400を少しカスタムするなら
ドラッグスター400の積載量を増やすならリアキャリアもありですが、サドルバッグがピッタリです。バッグを傷つけないためにもサドルバッグサポートは装着しておきたいところです。風を切るのがモーターサイクルの醍醐味ですが、浴び続ければ疲れてしまうのも事実。特にドラッグスター400のようなアメリカンは直立姿勢なので風の影響を受けやすいポジションです。ウインドスクリーンを装着すれば適度に風をよけるために風を切る醍醐味はそのままに快適性がぐっとアップするカスタムです。
キジマ(Kijima) メッキデコレーションバンパー フロント メッキ ドラッグスター400/クラシック 405-209
転倒時などにエンジンのダメージを緩和したり、車体を起こしやすくするのがエンジンガードです。ドラッグスター400のようなアメリカンバイクはエンジンガードを装着してもデザインを崩しません。体力に自信が無い人や腕力に自信が無い人にはおすすめのカスタムです。
【関連リンク】
■ドラッグスター400のエンジン音 マフラー音 youtube 動画
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