住宅ローン控除/住宅ローン控除はこう受ける!

賃貸併用住宅の住宅ローン控除は注意が必要

大きなイベント会場にて、住宅ローンの無料相談会を開催することがあります。そこで近年、増えている相談の一つに「賃貸併用住宅」についての内容があります。家を建ててから「こんなはずでは無かった」とならない為に、賃貸併用住宅と住宅ローンとの関係を確認してみましょう。

中村 諭

執筆者:中村 諭

住宅ローンガイド

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 賃貸併用住宅の取得に住宅ローンは使えるか?

「賃貸併用住宅」とは、自宅の一部を賃貸住宅にして家賃収入を得る目的で建てる住宅のことです。銀行にローンを申し込む際に、家賃収入を得る賃貸住宅の取得目的だと、アパートローンや事業用融資としての取り扱いとなります。つまり、住宅ローンとしての融資は受けられないのが基本ですが、債務者本人(ローンを申し込む人)が、その建物に住み、かつ、一定割合以上を居住用として自己使用する条件で、銀行の取り扱いは次のように分かれます。

1.居住用部分のみ住宅ローンとして融資可能
2.居住用部分が二分の一以上あれば、住宅ローンとして全額融資が可能
3.居住用部分が三分の一以上あれば、住宅ローンとして全額融資が可能

これら[1]~[3]のどれが各金融機関で適用されるのかは、金融機関によって異なります。

例えば、フラット35では「店舗付き住宅などの併用住宅の場合は、住宅部分の床面積が非住宅部分(店舗、事務所等)の床面積以上であることが必要」と商品概要に書いてありますので、ここだけを見ると、上記の例では[2]が当てはまりそうです。

しかしながら、フラット35では「賃貸するための住宅には利用できない」との前提がありますので、上記[1]に該当します。フラット35を使いたい場合は、賃貸住宅部分は自己資金を用意する必要があるのです。

賃貸併用住宅への住宅ローン融資の金融機関の取り組み方は、各金融機関によって異なります。あなたが、住宅ローンを申し込みたい銀行があれば、実際に申し込む前に問い合わせてみましょう。

住宅ローン控除に注意

賃貸併用住宅と住宅ローン控除

賃貸併用住宅と住宅ローン控除

賃貸併用住宅について、金融機関によって取り扱いに差はあるものの、アパートローンや事業用融資よりも金利の低い、住宅ローンで借りられることが分かりました。

しかし、賃貸併用住宅の購入資金を住宅ローンで借りられたとしても、それは各金融機関の判断であって、住宅ローン控除が、金融機関から受けた融資額の全額対象となる訳ではありません。

住宅ローン減税を受けられるのは、あくまでも「居住の用に供する住宅」のみです。賃貸併用住宅の取得を検討する場合、自己使用部分のみの住宅を取得するよりも多額のローンとなることが想定されます。その場合であっても、ローン残高が全額、住宅ローン控除の対象ではありません。資金計画の際にはご注意ください。(住宅ローン控除の対象となる範囲については、個別具体的に、最寄りの税務署に問い合わせてご確認ください。)
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