住まいのプロが提案「イエコト」/採れたて!最新トレンド&ニュース

埼玉県立近代美術館で[戦後日本住宅伝説]展が開催中

現在、埼玉県立近代美術館で[戦後日本住宅伝説 ー 挑発する家・内省する家]展が開催中です。人間の生活の3つの基本のうちの「住」に焦点を当て、今や伝説となった1950年代から1970年代までの16軒の名作住宅をピックアップし、建築家のコンセプトを貴重な資料や映像によって紹介した展覧会です。

執筆者:川畑 博哉

現在、埼玉県うらわ市の埼玉県立近代美術館で[戦後日本住宅伝説 ー 挑発する家・内省する家]展が開催中です。

人間の生活の基本である「衣・食・住」の「住」、中でも戸建て住宅に焦点を当てたこの展覧会は、戦後の1950年代から始まり、国家的イベントの万博を経た後、建築家の眼差しが強く内部に向けられるようになった1970年代までの、16人の建築家による16軒の名作住宅で構成されています。

今や伝説ともなった戦後日本の、挑発する、あるいは内省する住宅作品を通して、建築家が「住まい」という私的な空間をどうとらえ、どう表現しようとしたかを知ることができる絶好の機会です。
undefined

 

会期:2014年7月5日(土)~ 8月31日(日)
開館時間:10:00-17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(7月21日は開館)
観覧料:一般1100円(880円)、大高生880円(710円)
※()内は20名以上の団体料金
主催:埼玉県立近代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
監修:五十嵐太郎 助成:芸術文化振興基金
協賛:ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン・日本興亜損保、日本テレビ放送網
協力:JR東日本大宮支社、FM NACK 5

戦後から1970年代までの名作住宅を16のブースで展示

館内2階の会場は16のブースに分かれています。各ブースは、高さ2mを超える大型写真と、全国の建築系の大学が製作に携わった50分の1と30分の1の模型、貴重な設計図面、3分から11分のビデオ映像によって構成され、作品と建築家のコンセプトを分かりやすく表現しています。

冒頭を飾る、丹下健三[住居](1953年)から始まり、同年の増沢洵[コアのあるH氏の住まい]、翌年の清家清[私の家]、東孝光[塔の家](1966年)、黒川紀章[中銀カプセルタワービル](1972年)と続きます。

「塔の家」の奥には、菊竹清訓[スカイハウス](1958年)、磯崎新[新宿ホワイトハウス](1957年)、篠原一男[白の家](1966年)、坂本一成[水無瀬の町家](1970年)、原広司[原邸](1974年)、宮脇檀[松川ボックス](1971/1978年)、安藤忠雄[住吉の長屋](1976年)、石山修武[幻庵](1975年)、毛綱毅曠[反住器](1972年)が並び、最後は白井晟一[虚白庵](1970年)と伊東豊雄[中野本町の家](1976年)という対照的な2つの住宅で締めくくられます。

なお、美術館のある北浦和公園の北西の一画に、常設展示として「中銀カプセルタワービル」の実物のカプセルが置かれています。正面の丸窓や背後の入口から室内を眺めることができますので、お見逃し無く。
undefined

丹下健三[住居]
30分の1の模型と竣工当時の縁側の写真(撮影:平山忠治)。
 

undefined

増沢洵[コアのあるH氏の住まい]
50分の1の模型と居間から庭を見た大型写真と内部写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

清家清[私の家]
30分の1の模型と居間の写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

東孝光[塔の家]
原寸の平面面と立体化されたキッチン。奥は50分の1の模型(左)と30分の1の模型(右)と竣工当時の外観写真(撮影:村井修)。
 

undefined

黒川紀章[中銀カプセルタワービル]
50分の1の模型とカプセル内部写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

菊竹清訓[スカイハウス]
30分の1の模型と2階内部写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

磯崎新[新宿ホワイトハウス]
50分の1の模型(手前)と30分の1の模型(奥)とアトリエ内部写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

篠原一男[白の家]
30分の1の模型と広間の写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

坂本一成[水無瀬の町家]
50分の1の模型(左)と30分の1の模型(右)と外観写真(撮影:新建築社写真部/画像提供:DAAS)と内部写真(撮影:新建築社写真部、藤塚光政)。
 

undefined

原広司[原邸]
30分の1の模型と内部の吹抜け写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

宮脇檀[松川ボックス]
50分の1の模型(手前)と30分の1の模型(奥)と居間の写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

安藤忠雄[住吉の長屋]
10分の1の模型と正面外観写真と内部写真(撮影:新建築社写真部)。
 

undefined

石山修武[幻庵]
50分の1の模型と内部写真(撮影:新建築社写真部/画像提供:DAA
S)。
 

undefined

毛綱毅曠[反住器]
50分の1の模型と大型内部写真と内部写真(撮影:藤塚光政)。
 

undefined

白井晟一[虚白庵]
客室、仕事室写真(撮影:新建築社写真部)と書「日光」。
 

undefined

伊東豊雄[中野本町の家]
30分の1の模型と広間の写真(撮影:大橋富夫)。
 

undefined

北浦和公園の北西の一画に置かれている[中銀カプセルタワービル]のユニット。室内は住むための機能がコンパクトに納められている。

関連イベント:原広司氏と西沢立衛氏の対談

会場では関連イベントとして、7月21日に行われた本展の監修者である五十嵐太郎氏と建畠暫館長の【対談A】に続き、8月21日に建築家の原広司氏と西沢立衛氏の対談を開催します。参加費は無料、定員100名(抽選)で事前申込制です。
事前申込の応募方法:往復はがきに返信の宛名を記入し、郵便番号、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号、イベント名「対談B」を明記の上、埼玉県立近代美術館企画展担当までお送り下さい。申込締切は7月28日(月)必着です。
埼玉県立近代美術館:〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます