今回は、久々に住宅の価格に関するお話です。世の中には「安物買いの銭失い」「安かろう、悪かろう」などという言葉があり、モノの本当の価値を理解することは難しいものがあります。そこで、ここでは住宅の価格・価値に関する二つの視点を紹介します。それは住宅の価値を短期的に判断するのか、長期的に判断するのかということ。依頼先を決める際に是非、このことをしっかり判断していただくことで、将来的に「失敗した」と後悔しなくてすむと思います。

住宅を「寿命」で捉えるライフサイクルコスト

住宅価格はイニシャルコストだけでは判断が難しい。ライフサイクルコストも視野に入れて検討すべきだ

住宅取得にあたっては「安かろう、悪かろう」にならないようにしたいものだ

住宅価格の見方については、大きくイニシャルコスト(初期費用)と、ライフサイクルコスト(LCC)という二つがあります。イニシャルコストとは、住宅を新たに取得する際にかかる費用のことです。一方、LCCとは住宅の寿命全体でみる価格のことです。

私たちは常に、この二つについてどのようにバランスを取るか、つまり、どちらを重視することが「お得」なのか、ということを考えているのだと思います。ただ、LCCについては先々のことを含みますからわかりづらく、どうしても足元のイニシャルコストが優先されがちになります。

また、限られた収入の中で、住宅ばかりにお金をかけてばかりはいられません。暮らしの中には居住コストのほかに、教育費や食費はもちろん、生活を彩る旅行や趣味のお金も必要になります。ですから、できるだけイニシャルコストを抑えるという判断になるのは、当然のことだと思います。

ただ、現在は長期優良住宅という新たな価値観の時代。LCCについてもしっかりと判断すべきです。住宅については先々のメンテナンス・維持管理コストなどもばかになりません。何らかの理由で将来的に住宅を手放さなくてはならなくなった場合の資産価値のことも考えなくてはいけません。

将来、「決してお得でなかった」にならないように

取得時のイニシャルコストだけで判断するのではなく、将来のことを見据えたライフサイクルコストも重視すべき

取得時のイニシャルコストだけで判断するのではなく、将来のことを見据えたライフサイクルコストも重視すべき(写真はイメージ)

イニシャルコストがいくら安くても、メンテナンスにお金がかかったり、そもそも住みづらい住宅であれば、長く住み続けることはできません。そうなると将来的に、LCCという点については「決してお得ではなかった」という判断になるかもしれません。

もっとも、住宅の価格が高ければLCCの面でも優れているというわけではないのが、住宅の難しいところ。ただ、メンテナンスや維持管理にも積極的に取り組んでいるかで依頼先を決定することは重要なことです。

では、次のページでイニシャルコストとLCC、そしてハウスメーカーとの関連性を見ていきます。