いつから、いくらぐらいを目標に老後資金準備をスタートする?
調査結果を見ていて感じたのは、「必要な老後資金は約3000万円」というのは会社員のイメージとしてそう悪くないな、というところです。私も何度か、「3000万円を目標に老後資金準備をイメージしよう」というようなコラムを書いていますが、これを大幅に下回るとかなり大変な老後になると思いますし、大幅に上方修正すると準備自体が苦しくて現役時代の生活に支障が出ると思います。男女や世代の違いを問わず、ほとんどの人が3000万円をイメージしているところは興味深いところです。→「老後のお金を30代の今、考える!」
(ただし、フィデリティ退職・投資教育研究所は、3000万円は過小評価に過ぎないか、と指摘しています。特に医療・介護のコストが上昇することを甘く見ているおそれがあるとしています)
しかし問題はそのためのアクション(行動)です。準備の必要性はうすうすと理解していながら、準備状況はあまり芳しくないからです。
もちろん、準備状況や準備額については若い世代が低く、50歳代にかけて上昇していますので、まったくダメというわけではありません。また、準備額の平均も世代が高まるほどに金額が上昇していますので、コツコツ準備しているように見えます。
それでも「準備ゼロ」という人があまりにも多いのは心配です。特に男性の50歳代でも28%の人が準備ゼロというのは驚きです。また、準備状況はこのままでは3000万円に達しない状況です。退職金や企業年金がある、と考えても不安が残ります。
老後のお金の準備というのは、老後に行うのは不可能です。65歳になってから今月の年金を残しておいて、10年後の自分のために積み立てるわけにはいかないのです。
私たちの世代では、おそくとも45歳で老後資金準備は意識するべきだと思います。おそらく将来は65歳まで働ける時代になるでしょうが、60歳以降は年収が下がる可能性も高く、老後の資金準備をできる期間はあまり長くはないからです。もちろんスタートはもっと早くてもかまいません。
金額については、できる範囲からでかまわない、というのが正直なところですが、目標を設定してよければ毎月1万円、ボーナスごとに10万円はノルマにしたいところです。15年間、毎月1万円、ボーナス10万円が貯められれば元本だけでも480万円になります。これに利息や運用益が加味されれば、老後の柱のひとつが立ち上がります。
40歳代~50歳代に所得が向上することがあれば、積立額も増やしていきましょう。とにかくあきらめないこと、実行に移すことが肝心です。
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