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44%の会社員は老後準備ゼロでも401k社員はバッチリ?(3ページ目)

先日ある統計が公表されて話題となっています。「44%の会社員は老後のための資金がゼロ円だ」というものです。本当だとしたら、日本人の老後はちょっと大変なことになるのかも?ところが、401kをやっている会社員は準備が進んでいることも明らかに?調査の概要を見ながら私たちが考えるべき課題について考えてみます。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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401k加入者は、老後に関する準備意識が高い?

ところで、同調査は対象者の約15%(7人に1人!)が確定拠出年金(日本版401k)の加入者であったことに着目。もうひとつレポートを公開しています。(→詳しくはこちらを  )。こちらもなかなか興味深い結果が出ています。

これによれば、会社が401kをやっていることは、会社員の老後資産形成にとってプラスの効果があることが明らかになりました。というのも、投資理解や老後資産準備について401k加入者である会社員(401k会社員、と呼びましょう)とそうでない人に、大きな違いが見られたのです。

たとえば、「公的年金の給付額を知っている」とした回答者は401k会社員70%のところ、そうでない人は51%と大きな違いがありました。退職後資金の準備状況についても平均で300万円以上も401k会社員のほうが準備額が多かったのです。老後の準備をしていない、という人も401k会社員のほうがそうでない会社員より10ポイント以上低い数字となりました。

投資に対する理解度についても、401kに加入している人とそうでない人の違いが大きく、「長期投資」「分散投資」といった投資に関する基本知識の認識度合いで15ポイントほどの差がついています。実際に投資をしている人の割合も401k会社員だと2人に1人、そうでない会社員は3人に1人と、大きな違いとなっています。

これはおそらく「投資の学習機会の有無」が違いとなって現れたものと思われます。

というのも、会社が401kを導入するとき、全社員を対象に説明会を行うのが一般的です。特に資産運用の基礎知識や公的年金制度の概要、老後資金準備の方法などについて学習の時間が割かれています。
会社が自己責任で運用する制度を採用する以上は、社員に自分で運用できる能力を身につけてもらう必要があり、そのために研修が行われるわけですが、そうした取り組みは「401k会社員」と「そうでない会社員」に確実な違いをもたらしているわけです。

こうした学習は詰め込み教育の傾向があり(時間が限られていることもあるため)、何カ月かしたら忘れてしまう人も多いようですが、それでも一部の社員には確実に投資の知識が芽生えているといえます。

同じ会社員だと思っていると、401k導入の会社かそうでないかで小さな違いが出てくるというわけです。そして、最初は小さな差かもしれませんが、長い目でみると大きな差につながってくるのではないでしょうか。

もしあなたが401k会社員であれば、「会社からリスクを押しつけられて401kなんて面倒だ」と思ってばかりいないで、「タダで投資の勉強会に参加できてラッキー」とでも考え直し、401kを通じて自分の資産形成について考えてみてはいかがでしょうか?

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