CD不況の中、オーケストラの自主制作レーベルが広がる
CDが売れない、と言われて久しい。それはポップスだけではなく、クラシックも然り。となると、レコード会社はリリースに慎重になる。それは当然でしょう。ですが、アーティスト側は音楽を発信する機会が減る。困った。さあ、あなたなら、どうします?
その策の一つとして、数年前からクラシック音楽の世界で増えてきているのが、オーケストラによる、CDの自主制作。
その背景には、ざっくり言うと、
・CD制作が以前と比べ容易になった
・ECやSNSの発達により、販路の確保、広告がしやすくなった
という理由があります。
著名オーケストラでは、ロンドン交響楽団が2000年から、サンフランシスコ交響楽団が2002年から、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が2004年から、ロンドン・フィルハーモニーが2005年から、シカゴ交響楽団が2007年から、バイエルン放送交響楽団とマリインスキー劇場管弦楽団が2009年から、と続々といった感じで、どこもなかなか素晴らしい盤を出しています。
遂に天下のベルリン・フィルも自主制作を
と、その流れの中で、世界トップクラスの人気と実力を誇るオーケストラである、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が自主レーベル『ベルリン・フィル・レコーディングス』を立ち上げ、2014年6月末に第1弾として、首席指揮者サイモン・ラトル指揮の、シューマンの交響曲全集を出すことになりました。本国ドイツに次いで重要な国と彼らが認識する日本で記者会見が行われ、ベルリン・フィルのソロ・チェロ奏者であり、メディア代表であり、レーベル『ベルリン・フィル・レコーディングス』の運営を行うベルリン・フィル・メディア社の取締役であるオラフ・マニンガー氏と、同じく取締役のローベルト・ツィンマーマン氏が熱い思いを語ってくださいましたので、QA形式にしてその内容をご紹介します。