2014年東大合格者数ランキングベスト30
まずは2014年、東大合格者数ランキングを見てみましょう。1位は、昨年と同じく開成(東京)の158名。去年より合格者数を12名減らしたものの、それでもダントツの数字だから驚きです。2位は、筑波大付属駒場(東京)と灘(兵庫)の104名。2014年、東大合格者数ランキングベスト30(参考「高校生の実力」完全版、毎日新聞社)。
以下、麻布(東京)、駒場東邦(東京)、聖光学院(神奈川)、桜蔭(東京)と続きます。1位~23位までが、昨年ベスト30入りした高校で、上位校にほとんど変動がないのが今年の特徴と言えます。
都立校では、14位の日比谷37名、18位の西31名、26位の国立24名がランクイン。大学受験に有利と言われる私立・国立の中高一貫校が上位を占める中、公立校もまずまずの検討をしていると言えるでしょう。
合格ランキングはその学校の個性の表れ
さて、これまで何度も東大合格ランキングを取り上げてきましたが、はっきりしているのが、「何が何でも東大」という人もいれば、「別に東大じゃなくても」という人もいるということです。「何が何でも東大」という人が、開成や灘など、東大に強い中高一貫校を選ぶのは当然の選択ですね。しかし、「別に東大じゃなくても」という人にとっては、開成や灘など東大に強い中高一貫校を選ぶことが、必ずしもベストの志望校選びとは言えないことも確かです。
例えば、東海(愛知)は、東大だけでなく、京大や地元の名大にも強く、また医学部にも強いことから、「東大だけが大学じゃない」と思う生徒の割合が高いことがわかります。東大合格ランキングでは、毎年20位前後ですが、それは必ずしも開成や灘など、他の中高一貫校よりも劣っているということを意味しません。あくまでも、その学校の個性なのです。
また、灘の合格者数は東大104名に対して京大30名と少なく、洛南(京都)の79名、西大和学園(奈良)の74名と比べると見劣りします。しかし、だからと言って、灘が洛南や西大和学園に劣っているというわけではありません。
つまり、東大合格ランキングは、志望校を判断する絶対的な基準ではないのです。
志望校に合格、その後も考えよう
東大に限らず、志望する大学に合格することが、受験の最大の目標のように思われていますが、実は違います。大学に入った後、そして大学を出た後「何をしたいのか」「どうなりたいのか」まで見据えることが、最も大切なことなのです。そのためには、小中学生の間に、どんな体験をして、どんな思いを持って、何を学ぶのかが大切です。幸いなことに、ゆとり教育以降、「総合的な学習の時間」で、仕事について学んだり将来について考えたりする機会が増えました。
これらの機会を活かし、偏差値や合否の可能性といった目先のことだけでなく、将来を見据えた志望校選びや日々の勉強に取り組むことが大切だということを意識しましょう。