食と健康/魅力の食材・成分(肉・魚介・野菜・フルーツなど)

果物の健康情報のウソ、ホントと、摂り方の注意点

スムージーなど果物を活用したドリンクが人気ですが、意外の日本人の果物の摂取量は、少ないのが現実。果物を摂取することで得られる健康への役立つ効果や、誤解されがちな点、摂る時の注意等についてご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

日本人は、先進諸国の中でも果物の摂取が少ない

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日本人の1日の摂取量は、約100g。目標の半分程度です。

健康や美容に関心の高い人の話題では、果物や野菜を使ったスムージーやフレッシュジュースが、よく取り上げられています。果物も、様々な品種が新たにどんどん市場に出回り、消費量は増えているようにも思えますが、実際はどうなのでしょうか。

日本の21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」が見直され、平成25年度から第2次が開始していますが、この中で、野菜とともに「果物の摂取量の増加」を食生活・栄養の大きな目標にしています。

 目標項目:野菜と果物の摂取量の増加

 現状:野菜摂取量の平均値:282g

     果物摂取量100g 未満の者の割合:61.4%
(平成22 年)

 目標:野菜摂取量の平均値:350g

    果物摂取量100g 未満の者の割合:30%
(平成34 年度)

 データソース:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

日本人の1人あたりの果実摂取量は108.5 g/日(国民健康栄養調査平成24年)。野菜は、一日350gの摂取が推奨され、割といろいろなメディアでも取り上げられていますが、果物のことは野菜ほど知られていない気がします。果物の1日の摂取量は200 gを目標とされ(果物のある食生活推進全国協議会)、あと約100g足りていません。

また日本人1人1日当たりの果物消費量は、先進国の中では、なんと最低レベルなのです。

海外の様々な国では、果物を野菜感覚で料理に使用したり、加工品などのバリエーションも豊富です。日本では、古くは果物を「水菓子」と呼び、食事とは分けられた存在だったことが、消費量の少なさにつながっていた背景があるのかもしれません。

国連食糧農業機関のデータ(2009年版)において、1人1日の果物消費量の国際比較を見ると、世界平均は200gで、最もよく食べているイタリアでは426g、ギリシャが367g、アメリカでも303g、日本は約144gです(176カ国中、日本は127位)。

若い世代は、特に果物の消費が少ない?

現在、全ての年代において、その目標量に達していませんが、特に20~40歳代は果実の消費量が少なく、摂取量は1人1日 50~70g台と摂取目標200gの3分の1程度です(果実類にジャムは含まない)。

果実を食べない理由は、食べるために皮をむいたりする手間が面倒であることや、価格の高さの他、食事の必需品ではなくスイーツと競合する「嗜好品」と認識されている点が上げられます。

次のページから、果物に含まれる栄養成分や、思い違いされがちな点、また摂る時の注意点をご紹介していきます。

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