ギャラリーとカフェの関係は?
當麻さん:中野ブロードウェイには現在3軒のギャラリーを開いています。コンテンポラリーアートを扱う「Hidari Zingaro」、クラフトアートの「Oz Zingaro」、オタク系アートの「pixiv Zingaro」。それぞれアートの毛色が違うため、訪れる人々の間でコミュニケーションが生まれにくかった。カフェはこの3つのギャラリーをつなぐハブとして機能します。
Zingaro(ジンガロ)という店名の意味は?
當麻さん:最初に開いたギャラリー Hidari Zingaroは、日光東照宮の眠り猫を造ったと伝えられる天才彫刻師、左甚五郎に由来しています。実在の人物かどうかは不明ですが。「左」は左翼的、自由を意味し、甚五郎はジンガロ、つまり“放浪の民”に通じる。この名前を村上が気に入り、ガは蛾、ロウは狼と、夜や自由を象徴する漢字を当てて「左 甚蛾狼」と名づけました。
Fuglenにコーヒーや内装を依頼した理由は?
當麻さん:よく「流行っているFuglenだからオファーしたんでしょ」と勘違いされますが、村上もFuglenもお互いの存在を知らなかったんです。きっかけはツイッター。Fuglen Tokyoがオープンして約1ヶ月後に、たまたま村上がTwitterでお店の写真を見かけて興味を抱き、すぐ僕に「當麻、ちょっと見てきて」とメールが来た。お店でコーヒーを飲んでFuglen Tokyoのマネージャーと話をしたら、とんとん拍子に進行して、その年の冬には村上といっしょにオスロの本店まで見に行きました。
村上さん、Fuglenのコーヒーを飲んでの第一印象は?
當麻さん:村上はコーヒー好きで、酒や煙草をやめたこともあってか、毎日コーヒーを飲むのが習慣になっています。世界中で展覧会が開かれるので、どの国に行ってもコーヒーを飲んでいるが、それでもFuglenのフルーティーな酸味の強いカプチーノを最初に飲んだときはサプライズ。1口目は「なんじゃこりゃ!」でしたが、2口目で「おいしいんじゃないか?」、3口目で「果汁を飲んでいるみたいだ」と思って、はまったようです。
なんと村上隆さんは大学時代からカフェをやりたがっていた! 次ページでお伝えします。