超広角15mmで視界が拓ける
コンパクトデジカメやミラーレス、一眼レフの標準ズームキットの広角側は28mmと相場が決まっています。最近はLUMIXのコンパクトデジカメが広角24mmを採用して、ちょっとした広角ブームが起こっていますが、それ以上の超広角の世界はレンズ交換式カメラでしか体験できません。銀塩時代は魚眼レンズを別にすれば広角の限界は13mmでした。もっともこれは受注生産レンズで重さ1.2kg以上ありました。普通に手に入るのは15mmが限界で、これも重くて、大きくて、高価なレンズでした。ところが35mmフルサイズよりもセンサーサイズの小さなミラーレスや一眼レフの登場によって超広角ズームが実用的なサイズと価格で製品化されるようになりました。フジノン『XF10-24mmF4 R OIS』は35mm換算で15~36mmの超広角ズームです。開放絞り値はF4通しで、最短撮影距離は24cmになります。望遠端が36mmというのがミソで、ほぼ標準レンズの画角に近いため、これ1本でかなりの撮影範囲をカバーできます。例えばSIGMAには12~24mm相当の超広角ズームがありますが、望遠側で24mmとかなりの広角のため用途が限られてしまいます。
標準ズームの『XF18~55mmF2.8-4 R LM OIS』の望遠側84mm相当で撮影した東京駅の手前で客待ちをするトゥクトゥク?
同じレンズで広角側27mmで撮影。東京駅の奥にそびえるビルまで見えてきた
『XF10-24mmF4 R OIS』の広角側15mm相当で撮るとさらに画角が広がり、道路の向こう側にあるビルが傾いて見えた
ビルにパースが付くのは超広角レンズ特有の現象で、カメラを水平ではなく上下に傾けると垂直の線が斜めになる