株・株式投資/日経平均株価の動向を専門家がチェック

1万5000円超えの日経平均、どこまで上がるのか!?

5月下旬から「SELL IN MAY」をものともせず、高騰を続けている日本株。しかしこの日本株の上昇は海外市況を考えればごく自然な成り行きに思えます。この視点から、今後日本株がどうなるかを予測します。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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1万5000円超えの日経平均、どこまで上がるのか!?

1万5000円超えの日経平均、どこまで上がるのか!?

現在の日本株の上昇は海外市場の状況を考えればごく自然な成り行き

5月下旬から「SELL IN MAY」をものともせず、高騰を続けている日本株。特に新興株は急騰状況で、5月20日に一時633ポイントをつけた東証マザーズ指数は1ヶ月後の6月19日には一時938ポイントと48%もの上昇となっています。もちろん、その他の指数も力強い上昇となっています。ジャスダック指数は同期間17%の上昇、日経平均は10%の上昇となっています。

日本株の上昇の背景にはGPIFの株式運用拡大などの国内事情もありますが、実は海外市場の株価動向を考えれば、ごく自然な成り行きに見えます。ここ数週の欧米市場は昨年末以来一度もみられなかったほどの「リスクオン」相場となっており、連日で史上最高値が更新されています。日本市場の買い手の7割は、オイルマネーを代表とする余剰資金が欧米機関投資家によって運用され、そこからロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港を経由してやってくるものです。これらの注文を入れる人の心に「買い」スイッチが入っているのです。

現在の状況は2013年11月からの株価上昇時と同じような状況

では、この欧米の機関投資家が盛り上がっている原因は何なのでしょうか? 現在の状況は2013年11月からの株価上昇時と同じような状況なのではないかと思います。

2013年11月からの株価上昇は欧州の金融緩和と米国経済の好調によるものです。2013年11月6日に欧州中央銀行(ECB)が政策金利を0.5%から0.25%に引き下げた後、米国の2013年10月の雇用統計が+20万4,000人増と政府機関閉鎖の影響を懸念した市場予想の+12万人増を大幅に上回りました。こうして2013年11月から世界的な株高(もちろん日本株も上昇)が起こりました。

そして今回も同じような状況になりつつあります。まず、米国の2014年1-3月期のGDPは+0.1%の成長率に留まりました。厳しかった冬の寒さが予想以上に経済をスローにさせた様子です。そして、現在発表されている2014年第1四半期(1-3月期)の企業決算も芳しくなく、特に売上の成長は鈍化しています。しかし、これは悪かったGDPにも通じることであり、悪天候の影響が大きいと思われます。

そして、第2四半期は雪解けとも言えるように徐々に米国経済の状況は明るくなっています。

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