売買契約時や請負契約時に確認を!
欠陥が見つかったら、手続きを
保険・供託いずれの場合も、事前に説明がありますから確認をしましょう。注文住宅では請負契約時に、分譲住宅では売買契約時に説明(保険の場合は書面の交付も)が行われることになっています。また保険の場合、住宅引き渡し時には保険契約を証する書類が交付されますので、忘れずに受け取り、保管しておきましょう。
なお、住宅引き渡し後に欠陥があることが分かった場合、私たち自身で事業者に修繕を請求しますが、事業者が保険に加入したか、供託しているかで手続きが変わってきます。
「住宅瑕疵保険」なら紛争処理を受けられる特典あり
まず保険加入の場合。事業者は国土交通大臣が認可した住宅瑕疵担保責任保険法人(=住宅専門の保険会社)の「住宅瑕疵保険」に加入していますが、通常の場合、私たちが事業者に請求すると事業者が住宅瑕疵保険から保険金を受け取って欠陥部分を修繕します。事業者が倒産した場合は、私たち自身が保険金を受け取り他の業者に修理を依頼します。また保険に加入している住宅は欠陥住宅トラブルに限らず、「住宅紛争審査会」による専門の弁護士や建築士によるあっせん・調停・仲裁等の紛争処理を申請手数料1万円で受けられます。また、住宅紛争処理センターでの住宅トラブル相談・専門家面談が受けられるのも特典です。
供託が行われる時期に注意
一方の供託とは、事業者の事業規模に応じて計算された保証金を、事業者が法務局に10年間預ける方法です。事業者が倒産して修繕が受けられない場合、私たちが自ら還付請求をし、欠陥を直すのに必要なお金を受け取ります。そのためにはまず、国土交通省へ申請し、国土交通大臣の確認を得たうえで供託所にお金を請求します。また手続きに際しては損害についての債務名義、あるいは損害を証する書面が必要になります。そもそも注意が必要なのは、供託そのものが新築住宅引き渡し後の次の基準日(3月末・9月末)までに行われる点です。つまり、供託を行う前に事業者が倒産すると、保証を受けられない可能性もありますから、供託時期を充分確認しておくことが大切ですね。
すべての不測の事態に火災保険が対応できるわけではない
住宅業者の任意保証がある場合も。確かめてみよう
火災保険の補償の中には、雨漏りでも保険金が受け取れそうなイメージのものもあります。たとえば「水濡れ」。しかしながら、これは給排水設備に生じた事故による漏水等が原因の水濡れを補償するものですし、「風災・雪災・ひょう災」は、これらによる被害で住宅が破損し、その結果としての損害を補償するものです。事故が起きた場合でも、その原因によって対応が異なることを覚えておいてください。
また、法律で保証している部分以外に、住宅事業者による任意保証が付けられている場合がありますので、契約内容を確認し、困った時には直接住宅事業者に確認してみるといいでしょう。
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