PLフィルターを使うと反射光を抑えて撮れる
PLフィルターのクローズアップ。レンズに取り付けるリングと回転させるリングの二重構造になっている。
このPLフィルターは、レンズに取り付けるリングとフィルター自体を回せるリングの二重構造になっています。撮影するときはレンズに取り付けた後、回せる方のリングを指で回しながら撮影します。
さらにこのPLフィルターには、大きく分けてPLフィルターとC-PLフィルターと呼ばれるものがあります。C-PLフィルターのCとは、Circularの略で日本語訳では「円」となりC-PLとは日本語では「円偏光」となります。
デジタルカメラで撮影するには、C-PLフィルターを使用します。
簡単に違いを言うとPLフィルターは、カメラ本体にAF機能がない旧式機能のカメラ用と言えます。
ただ、現在はほとんどPLフィルターとはこのC-PLフィルターのことを指すのですが、念のため購入する際は確認しておいてもよいでしょう。なおこの記事では、このあともC-PLフィルターのことをPLフィルターと書きます。
フィルターを回しながら撮影する理由は、フィルターを回すことで反射光の光量を調整することができるようになっているからです。フィルターを回しながらファインダーまたはモニター越しで画像を見ていると反射の光量が変化していくのがわかります。
反射光の除去や空の色の変化にも使える
水面に反射が写っている画像。実際にはこのように見えている。
PLフィルターを使い、反射光を軽減させて撮影した画像。反射光がなくなり水中の様子も写っている。
上の写真の比較を見てもらうと、PLフィルターを使って水面に出来た反射の軽減の違いがよくわかります。
撮影するときは、PLフィルターを回しながら反射が少なくなるところを探します。最も反射が少なくなる位置または反射の程度を抑えたいイメージになる位置までフィルターを回して撮ります。
また、反射している水面やガラス面などに対してレンズが垂直になる角度を向けているとPLフィルターの効果は出ません。斜めになる角度からレンズを向けます。
PLフィルターを使うとレンズに入ってくる光量が落ちます。そのためPLフィルターを使わずに撮影するときより暗めに写ることがあり、その補正には露出補正機能を使用します。
PLフィルターは、反射光を軽減するだけでなく、空の色などを濃くして撮ることもできます。撮影の方法はこれまでと同じ。PLフィルターを回しながら空の色味を調節しながら撮影します。
ただ、逆光の場合にはPLフィルターの効果はあまりありません。この点も注意が必要です。
PLフィルターには様々な種類のものが売られています。初めて購入される場合は、カメラ店などでどのようなものを撮りたいかを伝えて各種フィルターの効果を説明してもらい購入するのがいいかもしれません。
PLフィルターの使用は少し高度な撮影手法ですが、作品をグレードアップさせるには有効な方法です。