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キューバの至宝グリエルがDeNAで鮮烈デビュー

“キューバの至宝”と呼ばれる強打者で、DeNAに新加入したユリエスキ・グリエル内野手が鮮烈なデビューを飾った。活躍次第では今後、DeNAが“台風の目”になるのは間違いない。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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期待以上のスタートを切ったキューバの至宝

グリエルは2カ月以上実戦から遠ざかっていたが、二軍での調整を経て、見事鮮烈デビューを飾った。

グリエルは2カ月以上実戦から遠ざかっていたが、二軍での調整を経て、見事鮮烈デビューを飾った。

“キューバの至宝”と呼ばれる強打者で、DeNAに新加入したユリエスキ・グリエル内野手(30)が6月8日、交流戦の楽天戦(横浜)で鮮烈デビューを飾った。4打数3安打2得点、守備でも華麗なプレーを披露し、走攻守でチームの勝利に貢献した。

1点を追う三回二死、2009年WBCのオーストラリア戦で対戦したブラックリーから来日初安打を左前へ運んだ。続くブランコの左中間二塁打で一塁から激走し、同点のホームを踏む。五回に左翼線二塁打、七回には中前打を放ち、いきなりの猛打賞だ。来日1年目の外国人が初出場で猛打賞をマークしたのは、2008年3月28日の中日戦での広島・シーボル以来6年ぶり、球団では横浜時代の1998年4月3日の阪神戦でのマラベ以来16年ぶりの快挙となった。

守備でも魅せた。五回、三ゴロを捕ると、楽々アウトのタイミングにも関わらず、一塁へ矢のような速さの送球をしてスタンドをどよめかせた。「キューバでは強く投げるのがふつう。(一塁の)バルディリスを驚かせてしまった」と苦笑いを浮かべた。

5対1の快勝に貢献したグリエルは試合後、「初めての国外リーグでのプレーで重圧もあったけど、良いプレーができて満足している。落ち着いて穏やかな気持ちになれた」と笑顔を見せた。

キューバ政府はこれまで国外プロ契約を禁止してきたが、国際大会の成績不振や亡命阻止のため、昨年9月にこれを認めると発表し、今年1月から海外移籍を解禁。移籍1号として巨人に入団したセぺダに続き、5月13日にDeNAが年俸1億円でグリエルと契約した。5月31日に来日。キューバのリーグは3月中旬までのため、2カ月以上実戦から遠ざかっていたことが不安視されたが、二軍での調整を経て、見事、鮮烈デビューを飾り、不安を一掃した。

グリエルの父ルルデスさんは、キューバの元代表で、1992年のバルセロナ五輪で金メダルを獲得。日本の社会人野球(いすゞ自動車)でも活躍し、国内リーグの監督などを歴任。兄ユニエスキさんも同リーグでプレーする野球一家だ。グリエルの国内リーグ通算は1087試合に出場、打率.333、235本塁打、934打点。五輪は2度出場、WBCは3大会とも主力で20試合に出場し、打率.293、5本塁打、16打点をマーク。2006年の第1回大会でベストナインに選出された。その“キューバに至宝”が期待通り、いや、期待以上のスタートを切ったとあって、中畑監督も「かっこいいなあ。何かを持っている選手だね。大合格点だよ」とテンションを上げる。

「今の状態は85%だけど、2、3日したら100%になる」とグリエル。その力がMAXになった時、DeNAが“台風の目”になるのは間違いない。
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