長期優良住宅法から早5年
200年住宅読本として2009年に配布された消費者向け冊子
長くもつ住宅の基準として設定された住宅性能表示制度は2000年、長期優良住宅法は2009年に施行され、「100年住宅」という言葉も打ち出されましたが、いずれも業界を揺るがすほどのホットな話題になることなく、ややトーンダウンしているのが実情ではないでしょうか。
住宅取得層に響きにくい理由
なぜか。これはガイドの私見になりますが、100年、つまり子や孫の3世代もつ住宅のメリットが日本の住宅取得層に響いていない(響きにくい)ことが考えられます。この理由は2つ。第一は、非婚・非出産化が進み、子や孫のことを真剣に考えるであろうファミリー人口が急激に減少していること。子や孫世代のメリットが諸外国に比べて響きにくい日本…。
人間は建前論は頭で分かっていても、どうしても損得で考えます。自分たちにどういうメリットがあるかを考えて購買行動をするのが基本です。実は先般、某雑誌の企画で「長期優良住宅のメリットを消費者に伝えるためにはどうしたらいいか」という御相談を受けました。国や業界が掲げる中長期の総論はよく分かるんだけど、消費者に「来年建てる家を長期優良仕様にするメリットを伝える」ことが難しいというのです。
確かに、と頷いてしまいました。そこで「もし私が消費者の立場に立ったら、主婦の立場に立ったら、こんなことを言われれば少しは心が動くかも…」という視点で、以下の4つのポイントを考えてみました。