資産運用/投資初心者にもできるカンタン資産運用法

「国際分散投資」における資産分散の重要性(2ページ目)

分散投資には、さまざまな資産クラスを組み合わせて行う「資産分散」、複数の通貨を組み合わせる「通貨分散」、投資するタイミングを分ける「時間分散」があります。今回は、複数の資産クラスを組み合わせて資産運用を行う「資産分散」を解説します。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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さまざまなポートフォリオがある

財産三分法は、不動産を含めた総資産ポートフォリオという考え方ですが、一般的にポートフォリオといった場合は、金融資産だけの組み合わせである「マネーポートフォリオ」を指しています。また、財産三分法は国内(円)の資産クラスだけに分けて資産を運用する方法ですが、現在は海外の資産クラスを含めたマネーポートフォリオ(国際分散投資)を考えるように変化しているのです。

具体的にポートフォリオを組むには、性格の違う資産クラスを組み合わせることで価格変動の振れ幅を抑えることができるのです。図は、国内債券(野村BPI-総合)と国内株式(TOPIX配当込み)をそれぞれ100%で運用した場合と、国内債券50%と国内株式50%ずつ組み合わせて運用した場合の推移を折れ線グラフにしたものです。

性格の違う資産クラスを組み合わせることで価格変動の振れ幅を抑えることができる

性格の違う資産クラスを組み合わせることで価格変動の振れ幅を抑えることができる



金融資産の全て(100%)を国内債券だけで運用した場合、価格変動の振れ幅は収益率0%を挟んだ穏やかな動きの反面、低収益に甘んじてしまっています。一方、全てを国内株式だけで運用した場合は、価格変動の振れ幅は上手くいったときは50%程度の収益率、芳しくないときにはマイナス35%程度と非常に大きくなっていることがわかります。これだけ大きな価格変動の振れ幅だと、高い複利効果を得るのは難しいといわざるを得ません。

これに対し、国内債券50%と国内株式50%に分散して運用した場合は、上手くいった時は25%程度の収益率、芳しくなかった時はマイナス15%程度というように、国内債券と国内株式のちょうど中間的な動きになっているのです。

通常、国内債券と国内株式の価格の動きは、逆の動きをすることが多くなっています。株式市場が軟調に推移する局面では国内債券が買われ、反対に国内株式が堅調に推移する局面では国内債券は売られるからです。

価格の動きが異なる、言い換えれば性格の異なる資産クラスを組み合わせることで、一方のデメリットを他方のメリットが相殺することになり、結果として価格の振れ幅が穏やかになるのです。

これがポートフォリオ運用における資産分散の基本になるのです。間違わないでいただきたいのが、性格の同じ資産クラスに分けた場合、組み合わせる商品の数を増やしたとしても価格変動を穏やかにする効果は得られません。

分散投資をしているつもりが、ただ複数の資産クラスに分けて、管理するのに手間ヒマをかけているだけに過ぎないのです。
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