浴衣の色柄の持ち味を活かすコーディネート
ガイド松本:白地の浴衣は見た目にも涼やかですね。白は定番色のひとつ。アパレルではベーシックカラーにも流行があり、今シーズンは白をベースにした着こなしが人気です。浴衣の色、コーディネートにも流行はありますか?
木下さん:
流行に関係なく白地の浴衣は定番的に人気がありますが、近年は、より白地でもよりすっきりしたものが好まれる傾向があるように思います。また、新しいデザインというよりもより古典的な印象の浴衣が好まれます。震災以降、日本回帰の流れは浴衣の世界でもあると思います。
ガイド松本:
こちらの多色づかいの浴衣は、ぼかしがきれいですね。どのような工程で染められるのでしょうか?
木下さん:
こちらは浴衣の伝統的な染め技法「注染(ちゅうせん)」の中でも、現在ではできる職人がわずかな染め分け技法です。
型で糊で伏せて、糊が付いていないところに染料を注ぎ込むのが「注染」ですが、通常は注ぐ染料が単色のものが多いのに対して、その技法では複数の染料を同時に流し込みます。職人が両手に違う染料の入った”じょうろ”を持ち短時間で流し込む難易度が高いものです。このような多色使いができる職人さんは、今ではごくわずかです。
白地の浴衣も、一つ目の浴衣のように、名古屋帯に帯締と帯揚、足袋と草履にすれば、着物風にお召しになれます。二つ目の浴衣のように、博多織の半幅帯を合わせると、浴衣らしい着こなしをお楽しみいただけます。
ガイド松本:
ありがとうございました。
半幅帯を会わせると、浴衣らしい着こなしとなり、衿を重ね、小物を足すと、着物風にも着こなせる。浴衣の楽しみ方はさまざまですが、浴衣の色柄の持ち味を活かすコーディネートも大切ですね。
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